FIAはモハメド・ベン・スレイエム会長主導の組織改革の一環として、2名の幹部人事を発表した。
まずスペイン人のアルベルト・ビジャレアルがFIAゼネラルマネージャーに就任し、イタリア人のアレッサンドラ・マルハメがFIAシニア人事ディレクターに就任することとなった。
FIAのベン・スレイエム会長と評議会議長の直属となるビジャレアルは、グッドイヤーに20年勤めた後、自動車業界で豊富な経験を積んできた人物だ。今後はFIAの運営と財務を監督し、意思決定においてFIAメンバーの利益を優先させる役割を担うこととなる。
ハネウェルやブリストル・マイヤーズ・スクイブで要職を歴任したマルハメは、FIAで人事業務やより広範な戦略を指導する。
今回の人事について、ベン・スレイエム会長は次のように説明した。
「アルベルトとアレッサンドラをチームに迎えることができ嬉しく思う」
「アルベルトの豊富なリーダーシップ経験により、財務実績、ガバナンス、運営における持続可能性を推進し、組合員に価値を提供してくれると確信している」
「アレッサンドラは、人事に関する豊富な専門知識をFIAにもたらす。彼女が我々の最も貴重なモノである人材の育成を確実なモノとしてくれると確信している」
ベン・スレイエム会長は、FIAの財政をより安定させ、より明確な目標を設定することを目指しており、今回の人事もそれに向けた一歩となる。
ただベン・スレイエム会長のアプローチは多くの対立を生み、ここ1年で多くの重要人物がFIAを去っている。
先日はコミュニケーション担当ディレクターのルーク・スキッパーと、モビリティ担当事務局長のヤコブ・バングスガードがFIAから離脱したばかりだ。
昨年の冬には、スポーティングディレクターのスティーブ・ニールセンとシングルシーター・テクニカルディレクターのティム・ゴスが辞任した。彼らの前には、FIA女性モータースポーツ委員会の責任者を務めていたデボラ・メイヤーも退任している。
今年の2月には、FIAの代表としてコンコルド協定の交渉に携わったガバナンス及び規制担当ディレクターのピエール・ケテラーと、商業法務責任者のエドワード・フロイドも辞任。さらに5月には、FIAの初代CEOを務めていたナタリー・ロビンも同職を退いた。