TOEIC Testsで高得点をとった人はどんな勉強をしているの? 受験者のデータから解説

 【社会人のためのTOEIC Program・4】この連載では、「社会人のためのTOEIC Program」と題して、社会人が英語を学ぶ目的、英語を学ぶ際のコツや注意点、企業における英語研修などについて解説しています。第4回目のテーマは、「TOEIC Tests(TOEIC L&RやTOEIC S&W)で高得点をとった人はどんな勉強をしているの?」です。高得点を取ることでどんな効果があるのか、どうすればTOEIC Testsで高得点を取れるのか、実際に高得点を取った人はどのような勉強を行っているのかなど、日本でTOEIC Programを実施・運営するIIBCが実際に高得点を取った受験者へのインタビューやデータからお伝えします。

●TOEIC Testsで高得点を取るということ



 「TOEICで○○点を取った」「TOEIC○○点が必要です」と聞いた時、皆さんはどのようなスキルを想像されるでしょうか。多くの受験者が語る点数、多くの企業や学校で採用されている点数は「TOEIC L&R」が基準であることがほとんどです。

 TOEIC L&Rはその中のリスニングとリーディングというインプットの能力を測定しています。インプット能力が高いと英語を話す潜在力は高いと言えますが、TOEIC L&Rのスコアが高いからどんなビジネスの場でも英語を使いこなせるというのはやや飛躍があるといえます。インプット能力が高くても話せるようになるには一定期間話すためのトレーニングが必要です。

 「英語が使える」という状態になるためには、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングと4技能のバランスが大事です。そのため、TOEIC L&Rで600点が見えてきたらスピーキングやライティング能力を測るTOEIC S&Wを受験し、4技能のバランスを意識していくことをおすすめします。

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●TOEIC L&RとTOEIC S&Wの相関関係



 IIBCでは、TOEIC L&RとTOEIC S&Wの過去の受験者データからそれぞれの点数の比較表を作成しています。この中でTOEIC L&R 600点を取れる受験者は、TOEIC S&W でもSpeakingで200点中110点、Writingで200点中120点という予測スコアが示されています。これくらいの点数が取れると、ある程度の手ごたえがつかめ、自信にもつながると思います。

 自信がつくと実際に話してみようというコミュニケーション意欲につながり、コミュニケーションが取れるようになるとさらに勉強のモチベーションも上がるというポジティブなスパイラルにつながります。

 また、TOEIC S&WはAIなどの自動採点ではなく、人が採点するという特徴があります。人が採点するということは、単語や文法、発音などが正しいかどうかはもちろん、「コミュニケーションをきちんと取れているか」ということに重点を置いて評価しています。そのため、予め想定解があってそこから文法ミスなどで減点していく方式に対して、多少間違いがあっても伝わった部分があれば加点していく、という採点方法になっています。

 言いよどみや言い直しがあったとしても、全体のコミュニケーションとして伝わっていれば評価されるので、伝わったという成功体験を得やすく、モチベーションにつながっていくのです。