「ゲオ」といえば、レンタルビデオやゲームのイメージが強いが、現在は枕やシャワーヘッド、アパレル、化粧品、洗剤など「おうち時間」に関連する商品をゲオオリジナル商品として扱っている。しかも枕は1098円、シャワーヘッドは877円、スウェットセットアップは1098円など圧倒的な安さで数々のヒットを飛ばしている。ゲオは10月9日、バラエティストアに向けて業態転換中のビジネスモデルについて、報道陣向けの説明会を開催した。
●ネット配信の猛威で「レンタル」の売上構成比は10%未満に
ゲオがオリジナル商品の開発をスタートさせたのは2017年のこと。シュリンクするレンタル事業は利益を維持しつつ、一方でオリジナル商品の開発と販売の拡大に着手した。
23年6月の連結売上高に占めるレンタル事業の構成比は10%未満で、売上構成比は10年間で3分の1に縮小。インターネットによる映画や音楽の配信がユーザーの暮らしに急速に浸透する中、いわゆるBDやDVD、CDなどの物理メディアビジネスは減少の一途をたどっていた。
ただ、ゲオホールディングスのグループ全体でみると、新しいリユース事業の中古衣類「2nd STREET(セカンドストリート)」や中古スマホ事業「ゲオモバイル」が好調で、連結売上高は24年3月期まで5年連続で増収。140%以上の成長を遂げている。
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●オリジナル商品で数々のヒット飛ばす
そうした環境の中、17年にオリジナル商品の拡充によるゲオのバラエティストア化への業態転換がスタートした。
立ち上げ当初、今ではゲオのオリジナル商品のメインの一つになっている大型テレビは、社内から「ゲオで大型テレビは買わない、売れない」などといった反発の声が多かったという。
しかし、17年12月に低価格と高性能の両方を実現した4K50型液晶テレビをゲオなど350店舗とECで発売したところ、1~4日で2000台を完売した。
その後も、3278円の完全ワイヤレスイヤホンはシリーズ累計売上個数が430万個、2178円の骨伝導ワイヤレスヘッドホンは累計40万個、877円のシャワーヘッドは累計9万個、映える色を社内アンケートで決めたミニキャリーポーチは累計7万5000個、1098円の「ホテルSTYLEまくら」は累計18万個など、次々とヒット商品を出している。