●バラエティストアの強さの三つの秘密
24年は「Change as change(変化の中にこそ、チャンスがある)」という社是のもと、バラエティストアへの業態転換を加速させる。
ゲオ営業企画部の竹内斎ゼネラルマネージャーは「約1000店舗すべて直営店なのがゲオの強み」と自信を示す。後述するテスト販売などと合わせて、売れると判断したオリジナル商品を一気に展開できるスピードが強さの源泉だ。
そのスピード力と(1)テスト販売(2)売価から決める(3)開発スピード力の三つを掛け合わせることで、売れるオリジナル商品を低価格で販売する。
まずテスト販売では、製品化する前に約10店舗の小規模でテストを実施。売れた商品をオリジナル商品として開発して低価格を実現する。単純に言えば、1店舗で5個売れたら、1000店分の5000個をつくって一気に展開するイメージだ。
なお、ここでいうオリジナル商品とは、既存の商品に重視する機能と省く機能を検討してつくるもので、一から開発する商品ではない。
次の「売価から決める」は、通常の原価積み上げ方式で価格を決めるのではなく、市場価格を調査して売価を先に決めてから商品を開発するのだ。市場価格の3分の1(一部2分の1)を目標に開発するという。
最後の「開発スピード力」は、中国やベトナムなど海外の工場と直接取引することで、メーカーや商社などの中間コストを減らす。また、製品開発のタスクや情報をマスタ化して仕組みとして運用し、迅速な商品開発を実現している。
今期からアパレルにも領域を拡大して強化。6月に発売した「接触冷感ルームウェアセット」(1098円)は累計11万着を販売。この秋の10月10日に発売した「あったかスウェットセットアップ」(1098円)は、今期最大数の注力商品として30万着の販売目標を掲げる。
バラエティストアの展開を加速するゲオが、物価高騰による消費者の節約意識を刺激できるか。既存流通の新たな台風の目となりそうだ。(BCN・細田 立圭志)