最近はロゼレム、とデエビゴ、ベルソムラが主流
「非ベンゾジアゼピン系の薬には
・マイスリー(ゾルピデム)
・アモバン(ゾピクロン)
などがあります。
これらも実は、耐性や依存性が出ることがあり、ベンゾジアゼピン系に近い薬の特徴を持っています。
なので、最近処方されている薬は、耐性や依存性が少なく、従来の薬に比べて安全に使いやすいと言われている『新薬』です」
具体的には
・ロゼレム(ラメルテオン)
・デエビゴ(レンボレキサント)
・ベルソムラ(スボレキサント)
である。
ロゼレムは、メラトニンと似たような物質だ。メラトニンとは脳の「松果体」という部分から分泌されるホルモンで、体内時計として睡眠のコントロールをしてくれる。
ロゼレムはメラトニンと同じような効果を発揮して体内時計のリズムを正常に近づけていってくれる薬だ。
「メラトニンは朝に少なく、夜にかけて多く分泌されるものなのですが、ロゼレムもその特徴に合わせてくれます。
寝入りをよくする効果や即効性は強くないのですが、徐々に徐々に体内時計を正常に戻し、眠くなる時間がだんだん早まっていくような薬です」
デエビゴ(レンボレキサント)とベルソムラ(スボレキサント)の効果には「オレキシン」というホルモンが関係している。
オレキシンというのは、メラトニンの真逆で、覚醒させるようなホルモンだ。
「デエビゴやベルソムラは『オレキシン受容体拮抗薬』と呼ばれていて、要するに体を覚醒させるホルモンであるオレキシンのスイッチを切ってくれるお薬で、非常に優秀なんです。
一部悪夢を見る副作用が起きることもありますが、依存性や耐性が少ないので、まずはこの薬を最初に使うのが今は主流です。
現代ではこのように依存性の少なくて、しっかりと効果が出るような薬がどんどん出てきていますから、眠れない症状がある場合は、お薬に頼るのは悪いことではありません。
ですが、まず薬に頼る前に、眠れないときは
・熱いお風呂に入る
・寝る前にスマホを見ないために充電場所をリビングにする
・寝る前はあかりを暗くして過ごす
といった、睡眠薬を使わずにできる対策をしてみましょう。
それでも眠れなくてつらい場合はデエビゴ、ベルソムラ、ロゼレムといった新薬を最初に使い、それでもダメならベンゾジアゼピン系などを使用し、あまり長期的に毎日飲まないように工夫するのが重要です」
引用:https://uchikara-clinic.com/media/heart/sleep/
取材・文/百田なつき