最近、キュンキュンしてますか? キュンキュンすなわち胸のときめきは、女の子が明るく元気に毎日を生きる原動力。
「最近キュンとかドキッとか、全然ないな…」そんなふうに感じているなら、ぜひともキュンキュンエピソードでほっこり和んでいってください。
きっと「キュンとさせてくれる恋、そろそろ始めようかな?」そう思わせてくれるはず!
1. キュンキュンエピソード:10代の恋
同じ学校、同じクラスの男の子と女の子。二人はとっても仲が良くて、なんならお互い好き同士の両思いなのに、なんとなく気持ちを伝えられずにいる。
告白したいと思いながら、「でももし、振られたら? 今の関係が壊れて、元に戻れなくなったら?」そう思うと、一歩踏み出す勇気がどうしても出ない…。
でも、ある日友達からイタイ忠告を受けてしまい、女の子の気持ちは固まった。「モタモタしてるうちに、彼に彼女ができちゃったらどうするの?」そんなのはイヤ。絶対にイヤ!
ある日の帰り道、いつものように二人並んで川沿いの道を歩く。夕日が傾き始める時間で、足元の2本の影は長く伸びていた。
「ねぇ」
「んー?」
いつも通り、のんびりと彼が返事をした。
「彼女とか、ほしくないの?」
「は?」
彼はちょっとだけ上ずった声をあげた。あまりに突拍子もない切り出し方に、驚いたようだ。
「なに、急に」
「いいから。いないじゃん、今。ほしくないの?」
「まあ、ほしくないわけじゃないけどさ。誰だっていいわけでもないから」
「好きな子いるってこと?」
「まぁ」
「え、誰なの?」
冷静に。あくまでも冷静に、決して期待感がにじみ出ないように。それが、もしダメだったときの『保険』だから。
男の子はちょっと困ったように口をつぐんで、それからふいと視線をそらす。
「いっつも一緒に帰ってるやつ」
それって。
「それって……誰のこと?」
まだ。まだ確定じゃない。表情は変えない。
「わかるだろ?」
「わかんなーい」
彼、ちょっとだけむっとした顔をする。そして「そんなの……お前しかいないじゃん」と真っ赤な顔。
もう無理。それを聞いて、喜びを抑えられなくなった女の子の顔がぱぁっと上気した。
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2. キュンキュンエピソード:夜中のLINE(ライン)
『ピコン』
間もなく日付が変わろうかという頃に、突然通知音が鳴った。
テーブルの上に置かれたスマホの画面が、ぼうっと光っている。誰かからLINEがきたようだ。
女の子は読みかけの本にしおりを挟んで閉じると同時に、スマホに手を伸ばす。
「あ」つい声が出た。差出人の『ユウタ』から、何やらスタンプが送られてきた、と画面に表示されている。
開くと、つるんと丸い顔をしたLINEおなじみのキャラクターが、こちらに向かってピースサインを送っているスタンプが一つ。(なんなの?)と思うが先か、続いてメッセージが届く。
「インスタ見たよ」
「あの写真、めちゃめちゃかわいいんだけど」
立て続けに短い文がぽん、ぽんと2つ。それを見て、一気に体温が上昇するのがわかった。ユウタは、いわゆる幼馴染。家が近所で、子どもの頃からずっと一緒に育ってきたような関係で、女の子は彼に対して密かに恋心を抱いていた。
もちろん、相手にその気はない。ただの友達よりはずっと特別な関係だけれど、それ以上にはなれない存在だった。
(かわいいとか、言われたことないんだけど)
ユウタにInstagramのアカウントを教えたのは、たまたまだった。一緒にいるときに写真を撮って「インスタに載せよー」と言った流れだ。
かわいいと言っているのは、たぶんこの間友達と一緒に撮った写真。普段自撮りなんて載せないんだけど。
(どうしよう)
うかつにも既読をつけてしまったし、返事をしないのもおかしい。でもなんて返すのが正解?
悩んでいたら、また一つメッセージが届いた。
「でも、あんま顔とか載せんなよ。変なやつにストーカーされたりしたら困るから」
(お父さんかよ)と、ちょっと笑えたけれど、どうやら心配してくれているみたい。かわいいなんて言ってくれたり、素直に心配してくれたり、今夜はちょっと変な感じだな。