3. キュンキュンエピソード:見てくれていた人
「やらかした」
あーあーあー。仕事でポカミス。上司のダブルチェックでミスが発覚したから、大事にはならずに済んだけど。
上司には嫌味たっぷりで叱られるし、何より自分のミスで他のみんなに迷惑をかけちゃったのも、ショックすぎてヘコむ。
「ああ、いっそ辞めたい…」
普段あまりミスはしない方だ。慎重すぎるくらいにチェックしてるつもりだし、仕事を淡々と進めるのは性に合っている。だからこそ、たまにやらかすミスってドカンと大きい。
「あなたでもあんなミスするんだね」って慰めの言葉が、落胆にしか聞こえない。すっかり自信をなくしてしまっていた。
誰もいない喫煙室で、がっくりとうなだれる。今だけは誰も来ないでほしい。きっと、ひどい顔をしているから。…と願っていたのに、神様は意地悪だ。
きぃ、と扉が開く音がして、すらりと背の高いスーツ姿の男性が入ってきた。
「お疲れ様です」
同じフロアで働く佐々木さんだった。あまり話したことはないけれど、嫌な感じもしない人。余計なことも言わない人。
現れたのがこの人で良かった、と思ったら、なんだか急に愚痴が言いたくなってきた。
「今日、すみませんでした。私のミスでご迷惑おかけしちゃって」
彼はふーっと煙を吐き出すと、表情をぴくりとも動かさずに言った。
「全然。迷惑なんてかけられてないですよ」
「え、でも」
「むしろ普段が出来すぎだから。仕事、丁寧ですよね」
「あ、ありがとうございます…」
逆に褒められた。
「だからほんと、気にしないでください」
そう言って、佐々木さんは最後にちょっとだけ表情を緩めて出ていった。
ほとんど話したことがない人なのに、仕事ぶりをちゃんと見てくれていたことにビックリした。そしてなんか…嬉しかった。
なぜか、彼が最後に見せた表情を思い出すと、胸がちょっとだけキュンとする。
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4. キュンキュンすると、恋活がしたくなる♡
フィクションでもノンフィクションでも、実はそこら中にキュンキュンエピソードは落ちています。すると心が動かされて、知らず知らずのうちに「私も恋したい!」「キュンキュンしたい!」と思ってしまうもの。
「最近ときめきとはご無沙汰だなぁ…」というそこのあなた。ぜひ『キュンキュン』を補充して、恋活を始めてみませんか?