秋・冬の食べ過ぎにご用心!中性脂肪数値を抑えてくれる救世主「フィッシュオイル」の効果や効率的な摂取方法とは

食欲の秋と言われるこの時期は旬の味覚が多く、ついつい食べ過ぎてしまいがちに。加えて、年末が近づくにつれてイベントの類も多くなり、脂っこい食事やアルコールの摂取量も増える季節。そうなると気になってくるのが中性脂肪。

中性脂肪は空腹時のエネルギー源となるほか、体温の維持など健康維持に重要な役割を果たします。一方、基準値を上回ることで、肥満や生活習慣病、動脈硬化といった危険な症状を引き起こす可能性があり、健康診断などで注意を受けて初めて意識するという人も少なくないでしょう。

そこで今回は、静岡県立総合病院リサーチサポートセンターの田中清先生に中性脂肪が高くなる原因やメカニズムをお伺いするとともに、数値を正常値に戻すための対策や効果的な栄養素「フィッシュオイル」について紹介します。

 

実は中性脂肪は体に必要なものだった?適切な量に戻すための栄養素「フィッシュオイル」を摂ろう!

中性脂肪と聞くと、肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病と関係性が近しく、健康に悪影響と思われる方もいるのではないでしょうか。

実際に中性脂肪の数値が高過ぎると生活習慣病のリスクに繋がり、動脈硬化を促進する危険な状態ではるのですが、体を動かすエネルギー源としても重要な役割を担っており、適切な数値を維持することで人が健康的に生きていくために欠かせない成分。

では、中性脂肪の数値を適切に維持するためには、どうすればよいのでしょうか。

 

そもそも中性脂肪ってどんなもの?

そもそも中性脂肪は食事から摂取される他、体内に余ったエネルギーが肝臓や脂肪組織において中性脂肪として合成され、蓄えられていきます。

皮下脂肪が代表的ですが、中性脂肪は内臓脂肪としても蓄積していき、蓄積量が多すぎるとメタボリックシンドロームのリスクに繋がることも。

中性脂肪は血液によって全身に運ばれて臓器や筋肉が動くためのエネルギー源としても使われるのですが、使われずに余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられていくことに。

こうして脂肪組織に蓄えられた中性脂肪のことを、一般的に「体脂肪」と呼んでいます。

体を動かす時は血液中の糖質が使われ、糖質が不足すると蓄えられていた中性脂肪が遊離脂肪酸という形に分解されて血液中に放出され、筋肉・心臓組織などの細胞でエネルギーとして使用。

また、体温の維持・脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の吸収・内臓の保護や固定などに大切な役割を果たしています。

中性脂肪はエネルギーの供給源として重要な成分の一方、過剰な中性脂肪は健康に悪影響を及ぼす可能性があり、特に心血管疾患やメタボリックシンドロームのリスクを高める要因となるため、適切なレベルに保つことが何よりも重要。

中性脂肪が増える主な原因は「食べ過ぎ」や「運動不足」などの生活習慣にありますが、その中でも見直したいのが食事の内容。ご飯やパン、麺類、お菓子などの炭水化物が中心の食事を摂ると食後に血糖値が急上昇し、血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されます。

実はこのインスリンは中性脂肪の合成を促進する働きを持つため、中性脂肪がどんどん体内でできてしまうことに。

秋は食欲・実りの秋として果物が美味しい時期。しかし、果物は栄養素が豊富なだけでなく果糖によって甘味が多い果物は、吸収が早く血糖値・中性脂肪を上昇させてしまう働きも持っているので、食べ過ぎには気をつけましょう。

また、中性脂肪は脂っこい食べ物、つまり脂質を控えただけでは中々下がりません。

中性脂肪を上げる一番の理由は、脂質そのものではなく炭水化物やアルコール、カロリーの過剰摂取が要因。まずは摂取量を見直すことから始めましょう。

 

中性脂肪数値を抑えてくれる救世主「フィッシュオイル」

中性脂肪を減らす為には、食生活の見直しや定期的な運動によって体内の筋肉量を増やして基礎代謝量を上げるなど、体内に余分なエネルギー源を溜め込まないことが必要になります。

しかし、秋はおいしい食物がたくさん出回る時期であり、冬は忘年会といった飲み会などの様々なイベントが多くなってきますので、ついつい食べ過ぎてしまうことも。また、仕事や付き合いなどによって生活習慣を極端に見直すことが難しい人もいるのではないでしょうか。

そんな方におすすめしたいのが「フィッシュオイル」です。

フィッシュオイルとは⻘魚から抽出した油のことで、このフィッシュオイルに多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにする効果が期待され、生活習慣病予防に効果があると言われている成分。

EPAは血液をサラサラにするだけでなく、血中の中性脂肪の上昇を抑える効果があり、脂質の代謝に作用して、脂肪を燃焼しやすい体質に変えることができるのです。

また、フィッシュオイルには日照時間の短さが原因の1つにある「冬季うつ」をはじめ、脳機能の活性にも効果が期待できる成分。

フィッシュオイルは、サバ・サケ・マグロ・いわし・うなぎなどの脂の乗った魚の身や内臓に豊富に含まれてます。

特に小魚を食べて成⻑した天然の大型魚には多く含まれており、養殖の魚はエサによってはフィッシュオイルの含有量が少ないのだそう。

魚から直接フィッシュオイルを取り入れる場合は「1日にサバ缶1缶」が目安といわれることが多く、スーパーやコンビニで手軽に購入できる食品でオススメなのが「しめ鯖」です。

しめ鯖は加熱をしていないのでオメガ3の酸化や損失が無いことから、効率的に摂取が可能。

加えて酢飯のお酢によってたんぱく質の吸収をしやすくなるので、高齢者の方でも胃腸に負担をかけずに摂取できるオススメの食べ方でもあります。

しかし、毎日一定量の魚や油を必要量摂取するのは難しいもの。そもそも魚が苦手だという方もいることでしょう。

そんな方には手軽に摂れるサプリメントを活用して、不足する栄養を補う方法がおすすめです。

「食べ過ぎかも」と思った方は、ぜひフィッシュオイルを積極的に摂取したり、フィッシュオイルに含まれるEPA、DHAの不足分をサプリなどで補ってみてはいかがでしょうか。