下戸の夜を支える、三宮のモクテル専門バー

 飲める人は楽しいやろうなぁと羨ましく思う夜がある。その反面アルコールを欲する夜はない。
 「これとか飲みやすいよ」とフルーティーな白ワインなどを進めてくる友人もいるが、飲みやすいから何なのだと思ってしまう。そんな愚痴は三宮にあるモクテル(ノンアルコール)専門バー『MOCKTERIA』くらいでしか吐き出せない。マスターの森田洋行さんは共感してくれる。

 「ノンアルコールビールなども結局は、購入されるのはほとんどが“飲める方”。飲めない方はそもそも、お酒の味を求めていない場合が多いですよね」

 まさにその通り。

 飲みやすいからどうこうではなく、そもそも酒の味を欲していないのだ。

 『MOCKTERIA』は「そういう方に来ていただければ」と自身も下戸だという森田さんがオープンして、2024年秋で4周年を迎えた。

 森田さんの作るオリジナルモクテルは、夏なら「そら豆と抹茶のずんだフローズン」、秋なら「かぼちゃティラミス」など、フレッシュフルーツや野菜をふんだんに使っている。いわゆるジュースとの違いについては「僕の場合は、3種類以上の素材、ハーブ、スパイスを融合させて新しい味を考案しています」。

 例えば今回注文した「モクテル・ティラミス」は、砕いたビスケットにエスプレッソを染み込ませて、グラスの底に敷く。そこに濃度をつけたマスカルポーネチーズやミルクを重ねていくのだ。ひと口飲めば、老若男女誰もが「美味しい」と思えるであろう甘い口福が広がっていく。

『MOCKTERIA』は、下戸の夜の味方である。

『MOCKTERIA』

住所/兵庫県神戸市中央区中山手通1-2-7 ゴールデン会館1階

※こちらの記事は、関西の食雑誌「あまから手帖」がお届けしています。

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