7回途中ソロ弾2点に抑えたダルビッシュ有。無念のPS敗戦も、球団功労者に向けた”さりげない仕草”に米注目

 緊張感漂うマウンドで見せたさりげない仕草が注目を集めている。

 現地10月11日、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有が敵地で行なわれたロサンゼルス・ドジャースとのナ・リーグ地区シリーズ第5戦に先発。7回途中までソロホームランの2点のみに抑える3安打2失点の好投だったが、チームは0対2で敗れ地区シリーズ敗退が決定した。

 ドジャースの山本由伸とポストシーズン初の日本人投手による投げ合いが実現した。絶対に負けられない一戦でダルビッシュはプレーボール直後、大谷翔平と対戦する直前に右手で軽く自分の胸元に触れた。パドレスのユニホームの左胸には黄色のハートマークがあり、その中には「PS」の文字があった。これは、昨年11月に63歳で亡くなったピーター・サイドラー前オーナー兼会長の頭文字を取ったもの。パドレスは今季ずっと哀悼の意を抱きながら戦い、このポストシーズンでもその姿勢は変わらなかった。

 球団功労者に示したダルビッシュの想いに米スポーツ専門局『Fox Sports』が反応。公式Xに「ユウ・ダルビッシュが今日の先発前に、故ピーター・サイドラー氏を称えるPSパッチに触れた」と記し、映像まで公開。コメント欄は活況を呈し、再生数はいまだ伸び続けている。
  ダルビッシュは初回からエンジン全開。丁寧なピッチングで凡打の山を築き上げた。2回には初球のストレートが甘く入り、キケ・ヘルナンデスに一発を浴びて先制を許したが、その後は無失点。最も警戒すべき大谷には空振り三振、三飛と打ち取り、6回の第3打席はスライダー、カーブ、スプリットでカウント1-2と追い込むと、最後は外角へ114キロの緩いカーブで空振り三振を奪った。

 1点ビハインドで迎えた7回も続投したダルビッシュ。先頭打者を打ち取ったが、4番テオスカー・ヘルナンデスに痛恨のホームランを打たれて2点差に。しかし、そのあとマックス・マンシーを右邪飛に仕留めたところで降板。悔しさをにじませたが、ベテラン右腕の奮闘にチームメイトは労った。

 試合はドジャース先発の山本が5回2安打無失点の快投。バトンを受けたリリーフ陣もパドレス打線をゼロに封じ込めて、ドジャースが2対0で勝利。リーグ優勝決定シリーズに進出を果たした。打線の援護に恵まれず敗れはしたものの、先発としての役割を全うしたダルビッシュの堂々としたピッチングに、日米ファンは釘付けになった。

構成●THE DIGEST編集部

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