近藤真彦がスーパーフォーミュラの最新テスト車両で”シビレる”デモ走行。トヨタ会長とHRC社長も激励「走る楽しさが改めて分かった」

 近藤真彦がスーパーフォーミュラ第6戦が行なわれている富士スピードウェイで、同シリーズのテスト車両をドライブ。デモ走行を披露した。合計3周のデモ走行はノートラブルで終了。本人も走行終了後に「結構シビレた」と満足そうに語った。

 現在日本レースプロモーション(JRP)の会長を務める近藤は、俳優や歌手として活動してきたのと並行して、レーシングドライバーとしても活躍してきた人物である。ドライバーとしての表舞台から退いて久しいが、今回久々にレーシングカーをドライブ。しかもテスト車両とはいえ、現役のスーパーフォーミュラのマシンSF23のまさにそのモノ……バリバリのレーシングカーをドライブすることになった。

 この日の走行に向け、数日前には富士スピードウェイでテスト走行を実施。また、デモ走行前日夕方にも、短い時間ながら練習走行を行なった。

 そして本番となった10月12日。近藤社長は事前に行なわれた定例記者会見で「スタートでエンストしてマシンを燃やしてしまおうか、それとも普通に走ろうか……悩んでおります」と冗談を飛ばしていたが、さすがに走行直前ともなると、表情にも緊張感が見てとれた。また、トヨタ自動車の豊田章男会長とホンダ・レーシングの渡辺康治社長も激励に訪れた。

 最大の課題は、近藤会長が言う通りエンストせずにスタートできるかということだったが、練習の成果もあったかしっかりとこれを決め、富士スピードウェイを3周してピットに戻った。マシンを降りた近藤会長には、豊田会長と渡辺社長が揃って「格好よかった」と称賛した。

 走行を終えた近藤社長は会見に応じ、満足そうに「結構シビレたね」と語った。

「1周目、各コーナーのお客さんに手を振りました。でも2周目は、思う存分走らせてもらいました。みんな『安全に!』と言うので、もちろん安全に走りましたけどね」

「スタートもまあまあでした。本当はもうちょっとホイールスピンさせたかったんですけど、エンストしなかったことでもう上出来だと思っています」

「でも、僕はGT500の経験もあるんですが、シングルシーターは目線が違います。路面とコースから一番近いところの視線で走る。そしてコーナーと縁石が迫ってくるんです。これはやっぱりシングルシーターに尽きるんじゃないかと思いました」

 そして近藤会長は、ピットに戻る周回を無線で走りながら走行。これは場内にもリアルタイムで放送された。

「走行が終わって、最後の周のBコーナーからは無線をオンにしてもらって、客席にも聞こえるようにしてもらいました。そしてお客様とモリゾウさん(豊田会長)、そして渡辺社長にご挨拶をさせていただきました」

「21名のドライバーが、この後素晴らしい決勝レースをやるんで、楽しんでくださいっていう話を、ガタガタ震えながらしていました」

 そして今回のデモ走行は、今後に向けても非常に有意義なチャンスになったと、近藤会長は考えているようだ。

「スーパーフォーミュラやスーパーGTのように見て楽しんでもらうレースがある一方、参加型のレースもああります。レースは、どっちでも楽しめるんです」

 そう近藤会長は言う。

「だからと言って、僕が何らかの参加型レースに出るということはないと思いますよ。とはいえこれまで、レースはビジネスと言ってきましたけど、その皮が一枚剥けた印象です。本来の楽しさはこれだということを改めて認識したので、この楽しさと、マックススピードで21台が走るという迫力を、しっかり伝えていきたいと思います」