元Cerevoの岩佐琢磨さんが率いる、Panasonicと協業関係にあるShiftallが、新しいVRヘッドセットをリリースした。わずか185gという超軽量と、片目4K/90Hz/10bit対応のマイクロOLEDパネルを搭載した、VR Chatに特化したというヘッドセット(単体で動作するわけではなく、PCVRはゲーミングPCに接続して使う、いわばモニター部分)。価格は24万99000円。
MeganeX superlight 8K
https://ja.shiftall.net/products/meganex8k
AR/VR業界はこれからどうなるのか?
長らく盛り上がったり、盛り上がらなかったりするVR/AR界隈だが、Meta Questがリーズナブルな製品を販売し(Meta Quest 3Sはわずか4万8400円だ!)、アップルが違ったカタチの提案としてVision Proをリリースしたことにより、畑は耕され続けているように思う。
一時のブームは収束し、ハイプ・サイクルにおける幻滅期の段階だとは思うが、VR Chatなどのコミュニティは続いているし、どんな用途に、どんなデバイスが必要で、どんな技術が望まれているのかは定まってきたから、粛々と進化を続けて、いつしか普通に使う道具になるだろう(というこの原稿も、真っ暗な飛行機の中で、Vision Proで書いている。隣席の人に迷惑をかけずに、大きな明るいディスプレイで原稿が書ける)。
発表会会場で、Panasonicの方が語ったDSCC(パネル業界の分析会社)の分析によると、Vision Proはさすがに高価だったようで、想定よりも売れ行きは低調とのことだが、方向を修正した3代目ぐらいには普及の波に乗り、再成長していくだろうということだ。
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とにかくVR Chatを深く楽しむ人のためのデバイス
1月のCESで、Shiftallが発表したMeganeX superlightは、業界の進歩があまりに速く、発売前に開発中止になってしまったのだそうだ。
片目2.6K、200gのMeganeX superlightではもの足りない……ということで、今回開発されたのが片目4K、185gのMeganeX superlight 8Kというわけだ。
いつも、ピンポイントに狭い(しかし、十分に深く、ワールドワイドで見ればそれなりの数が見込める)市場に製品をリリースする岩佐さんの作法は今回も踏襲されている。岩佐さんが、狙った市場はVR Chatユーザー。
本製品は、毎日長時間VR Chatを行い、美しいワールドと、キラキラ光ったり、半透明のベールがかかっていたりするアバターを楽しむためなら、金に糸目をつけない人に向けて作られている。岩佐さん自身、緑色の髪を持つ美少女のアバターで、日々VR Chatを楽しむユーザーなのだから、ターゲットを見誤るはずもないというわけだ。