ハミルトン加入は、フェラーリが正しい道を進んでいる証拠?「彼はずっと移籍を夢見ていた」

 フェラーリのフレデリック・バスール代表は、ルイス・ハミルトンがメルセデスとの契約を途中で破棄してまで移籍を決めたことが、チームが正しい方向に進んでいる証左だと考えている。

 ハミルトンの電撃移籍はメルセデスだけでなくF1をも揺るがしたが、GP2やヨーロッパF3でハミルトンと仕事をしたことのあるバスールは、ハミルトンが常にF1で最も有名なチームに入る野心を持っていたことを知っていたと言う。

「ルイスを説得するのはそれほど難しいことではなかった。2004年に(ヨーロッパF3選手権で)一緒になったことを覚えているが、当時彼はマクラーレン・メルセデスに所属していた。しかし遅かれ早かれフェラーリに行くことをすでに心に決めていたんだ」

 バスール代表は、『ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙がトレントで開催したフェスティバル・デロ・スポルトで次のように付け加えた。

「我々は少し前にそれについて話したことがある。彼は常に、その願望を心に抱いていた。しかしもちろん、彼はパフォーマンス面での保証を求めるドライバーであり、彼にとっては常にこの面が最優先される」

「彼がフェラーリへの移籍を選んだということは、我々が適切なマシンを用意できると考えているということだ。これが究極の目標であり、ルイスのようなドライバーは休暇で我々のところに来るわけではない。パフォーマンスという点では正しい位置にいると思う」

「我々は一歩前進する必要がある。そして私に言えるのは、次のプロジェクトに多くのリソースを割いているということだ」

 ハミルトンをチームメイトに迎えるシャルル・ルクレールは、ジョークを飛ばしながらハミルトンを歓迎した。

「嫉妬はしていないと思うよ。フレッド(バスール代表)は僕のガールフレンドじゃないからね!」

「僕達はお互いを愛しているし、大切にしているけど嫉妬はないよ」

「ルイスとフェラーリの交渉についてはずっと知っていたし、その可能性があることも知っていた。透明性が保たれていたし、ルイスのような深みのあるチームメイトがいることはモチベーションにつながると、僕は最初に思った」

「7度のワールドチャンピオンに自分と同じマシンをドライブさせるというのは、とても興味深い挑戦だ。ルイスとはとてもいい関係を築けているし、これからもそうだと確信している」

「とはいえ、カルロス(サインツJr.)とも素晴らしいパートナーシップを築いてきた。僕たちはとてもうまくいっていたし、関係は常に素晴らしいものだった」

「あと数ヵ月で次のページに進むが、ルイスとの新たな挑戦が楽しみなのは認める。どのチームメイトにも必ず強いところと弱いところがあるから、常に学ぶことができるんだ。これは素晴らしいチャンスだと思う」