JLPGAツアー最高賞金額(総額3億円、優勝賞金5400万円)のアース・ モンダミンカップへのギャラリー観戦を、自分の施設の会員親子に積極的に進めていたマスター今野。
大会当日、来場した子どもたちと一緒に観戦したが、そこには大きな意味があったというが、どんな意味があったの?
はじめから最高のものを知ったら嫌いや苦手にならなかったかも
ユウ アース・モンダミンカップで、ジュニアゴルファーの観戦ツアコンしたんだって。
今野(マスター) はい。下は6歳から中学生までのお子さんと一緒に観戦しました。
ユウ ツアーコンダクターだから、ただ観るだけでなく、ジュニアゴルファーならでの観方や学び方を教えたんでしょ?
今野 そんなたいそうなことじゃないです。ただ、夢を見せてあげたかっただけで。
ユウ 「夢」とは、随分たいそうじゃない(笑)
今野 夢といってもほんのきっかけだけで「ゴルフ場ってきれいでしょ」「プロゴルファーってカッコいいでしょ」というのを観てもらいました。
ユウ テクニカルなことはまったくなし?
今野 子どもに観戦しながら説明してもわからないでしょう。単にコースもプレーヤーも一流を観てほしかったんです。
ユウ トーナメントのコースとメンテナンスにシード選手たちだから、正真正銘、一流のなかの一流だよね。
今野 これは教育、というより「食育」に近いことですね。
ユウ うちのかみさんもやっているけど、食育って、食に関する知識と食を選択する力を身につけさせて、健全な食生活を実践できる人間を育てることでしょ?
今野 はい。たとえば、レバーやラム肉が嫌いって人、多いじゃないですか。でも最初に特上を食べたら、嫌い、苦手とはならなかったかもしれませんよね。
ユウ それ、俺の場合、トマトがそうだわ。超高級トマトを食べたら、こんなに芳醇で食感もいいのかと思った。
今野 私もそうだったんですよ。はじめて行ったゴルフ場は15歳のとき。富里ゴルフ倶楽部でしたが、こんなにも整った自然が延々と続く景色があるのか、と驚いたものです。それでますますゴルフが好きになりました。だから、うちの会員は4歳から積極的にゴルフ場に連れて行くんです。
ユウ トーナメントを観た子どもたちの反応はどうだった?
今野 予想どおりか、それ以上の驚きと感動があったようです。小学2年生の女の子なんか来年この大会に「出たい!」といっていました。
ユウ 一般的なゴルフ場で、我々がプレーしている姿を観せるとは違う?
今野 かなり違いますね。最高であるもの、素晴らしいものを観せると、子どもは「自分もこうなりたい!」と強く思うものです。
ユウ たしかに、ちょっと前ならタイガー・ウッズを観て、今の若手なら宮里藍ちゃんを観て、プロゴルファーを目指したという人が多いよね。
今野 超がつく一流プロですよね。それと「生」で観るというのも大事で、そのすごさがわからなったとしても、大人になってから「お金と時間をかけて観に連れてきてくれたんだ」と、親の苦労や愛情を感じません?
ユウ 感じるし、うちの子もいずれ感じてくれたらうれしいね。
今野 経験させてあげる、というのも親や大人の務めだと思います。
ユウ マスターのところ会員の子からも、プロゴルファーが誕生するといいね。
今野 それが今の施設ができてからもできる前も、必ずプロになってほしいと思ったことはないんですよね。
ユウ じゃあどうなってほしいの?
今野 常識ある立派な大人になってくれたらいいです。世間はプロゴルファーじゃない人のほうが多いですから。
ユウ へ〜。マスターって意外にも、熱心で真面目な教員者なんだね(笑)
アース・モンダミンカップでは、おもに9番ホール・パー3のグリーン奥から観戦していましたが、ティーイングエリアが見えて「あそこから1打でグリーンに乗せるんだよ」と教えると、今は150ヤードも飛ばない子どもたちは「すごい!」と驚きます。
その「すごい」が憧れではなく「僕も、私も打てるようになりたい!」といってくれる子がたくさんいて、とてもよかったです(今野)
いかがでしたか? ぜひお子様に「一流」を観せてあげてみてはいかがでしょうか。
マスター今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ・RainbowFM(88.5MHz)の「サタマ二♪」(第2土曜15:00-16:00オンエア)で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。
写真 = 鹿野貴司
協力 = LaFace
撮影トーナメント = アース・モンダミンカップ