ここまで9戦中6戦が終了したスーパーフォーミュラ。山下健太(KONDO RACING)は残り3戦となった段階でランキングトップから23.5ポイント差のランキング5番手につけていたが、自身はタイトル候補ではないとキッパリ述べた。
山下はここまで開幕戦鈴鹿での2位を皮切りに、第5戦もてぎでも2位表彰台と、ここ数年の苦戦から脱して好調をキープしている。しかしながら、富士戦に関しては、7月の事前テストでかつてないほどの手応えを掴みながらも、同月の第4戦では大苦戦。10月の第6戦も、予選はQ1で敗退し決勝も10位に入るのがやっとだった。
山下は、全てのレースでベースとしているセットアップが富士においては“低め安定”になっている感があるため、大きくコンセプト変更をしたいと感じているという。ただ今回の第6戦・第7戦のような土日2レース制フォーマットでは、土曜のレースで課題を発見しても、日曜には予選・決勝とわずかな時間のウォームアップ走行しかないため、新たなセットアップを試す時間もないのだ。
「フィーリング自体は悪くないのですが、もてぎと違って低め安定。バランスはまとまっていてもタイムが出ない感じで、今年やってきたコンセプトに限界を感じています」
富士でのセットアップについて、山下は第6戦の後にそう語った。
「富士に関しては富士だけのセットが必要だと感じています。ただ違う方向に行こうとすると全然違うフィーリングになってしまうので、明日(第7戦)に向けて(変更するのは)リスクが大きすぎます」
「鈴鹿に行ったら、自分たちのセットはそれなりに合っていると思うので、富士は踏ん張りたいんですけど、今日明日は……無理かなって感じです(笑)」
また山下は、自分にタイトルのチャンスがあるとは思っていない。坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)を筆頭とするライバル勢のレベルには全く及んでいないと感じているからだ。
普段から率直で歯に衣着せぬ“ヤマケン節”で知られる山下だが、彼は「以前にも言っていますが、タイトル候補ではないです」と語り、こう続けた。
「最初から分かっていますけど、レベルが違います」
「みんなが思っている10段階くらいレベルが違います。坪井くんはこれだけキャパがあります(両手を肩幅に広げながら)。僕は……(親指と人差し指にわずかな隙間を作る)。もてぎはここに入っていました」
とはいえ、1勝を記録してキャリアハイのランキング5位となった2019年シーズンと同等かそれ以上の成績を残しそうな予感がある山下。第7戦の予選は6番手に食い込んだが、粘りのレースを見せられるか。