岩佐歩夢、富士スピードウェイでの第7戦は6ポジションアップの6位「悪くはなかったけど、良くもなかった」週末

 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は、富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラ第7戦を6位でフィニッシュ。これでランキング首位の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)との差が31ポイントのランキング4番手となり、逆転タイトル獲得の可能性はゼロではないものの厳しくはなってきた。

 岩佐は今回の富士の週末を「悪くはなかったけど、良くもなかった」と評価。鈴鹿での最終2戦に向けては、しっかりと詰めていきたいと語った。

 土日2レース開催となったスーパーフォーミュラの富士戦。土曜日の第6戦を2位でフィニッシュした岩佐は、さらなる前進を期して日曜日の第7戦に挑んだ。しかし予選Q2のアタックラップで痛恨のミス。ターン3でコース外走行となってしまったため、最速タイム抹消……決勝レースは12番グリッドからの巻き返しのレースを強いられることとなった。

「自分のミスですね。もちろん攻めた結果ですが」

 岩佐は予選についてそう振り返った。

「正直ポールポジションは厳しかったと思いますが、それでも4番手か5番手は獲れたはずです。それを落としてしまったので、そこは反省点。自分が改善しなければいけないところです」

 第6戦を見ると、レースペースは他チームに比べて苦戦しているようにも見えたTEAM MUGEN。しかしこの日の岩佐はレースペースも悪くなく、しかもセーフティカーのタイミングも追い風となり、ポジションを上げることができた。ただ、セーフティカーの後押しがなくても、同じような順位でフィニッシュできたはずだと、岩佐は考えている。

「ペースは悪くはなかったと思います。でも、良いとも言えなくて……最後は昨日と同じように可夢偉さん(小林可夢偉/Kids com Team KCMG)に迫られ、それで普通にやられてしまいました」

「戦略についてはあらゆる状況を考えていましたが、基本的にはその時の状況に応じて、エンジニアの指示で動く……こちらの状況も伝えて、最終判断をするという形でした。でも結局はチームの方が全体の状況が見えているんで、それはチームの判断に任せました」

「もちろん、セーフティカーのタイミングは悪くなかったですが、あれがなくても同じようなポジションには行けたんじゃないかと思うんですよね。もちろんそれは結果論で、実際順位も上がっていますから」

 岩佐は金曜日から連日、翌日に向けて「ステップアップする」という言葉を使ってきた。金曜日から土曜日にかけては思うようなステップを踏めなかったというが、土曜日から日曜日にかけての進歩は、良い方向に進んだと感じているようだ。

「土曜日から日曜にかけては、週末の中では良い方向に進んだと思います。でも、それでは足りなかったということですね」

「予選ではポールポジションを狙えるようなところにはいませんでしたし……まあ自分のミスでさらに順位を落としていますけどね。でも上位につけられていたとしても、優勝できるペースがあったかと言われると、そうでもないです。それを考えると、まだ足りなかったなという感じです」

 次は今季のスーパーフォーミュラの最終ラウンド。舞台は鈴鹿サーキットである。開幕戦もこの鈴鹿サーキットで行なわれたが、岩佐とチームはその初戦をうまく立ち回ることができなかった。しかし次は、初戦のリベンジを目指すと語った。

「鈴鹿は、開幕戦で全くうまくいかなかったサーキットです。色々な面で崩れてしまった週末だったので、正直自分たちのパフォーマンスを全く発揮できませんでした」

「でも自分たちが現状感じているポテンシャルなら、勝負ができそうだなと思います。ただアイテムというか、色々と詰めていかないと、今週のように悪くはないけど良くもないという、トップは取れそうもないというところになってしまうので……そこを詰めていくことが重要だなというふうに思います」

 岩佐はこの後はしばらく日本に残り、チームとのミーティングに充てるという。そしてその後は渡英し、F1メキシコシティGPの週末には、ミルトンキーンズにあるレッドブル・レーシングのファクトリーで、RBのサポートをするためのシミュレータ作業を担当する予定だ。