「痛い目に遭ってもいる」長友佑都の“葛藤”。W杯アジア最終予選で3戦全勝も「自分を戒めること」が重要と話す理由【日本代表】

 北中米ワールドカップのアジア最終予選、日本代表はここまで中国、バーレーン、サウジアラビアを破って3戦全勝。2024年10月13日に行なわれた全体練習を見ても、チームの雰囲気は最高だった。

 練習後、囲み取材に応じた長友佑都に訊いてみる。「今の代表チーム、過去のどの日本代表に似ていますか」と。長友は「全部違うんだけどなあ」と言いながらも真摯に答えてくれた。

「最終予選で良い出足ってところで考えると、ザックジャパンかなと。あの時はもっとキャラの濃い選手が揃っていましたが、みんなギラギラしていたので」

 ただ、「痛い目に遭ってもいる」と長友は言う。「痛い目」というのは14年のブラジル・ワールドカップでグループリーグ敗退に終わった苦い経験を指す。

「自信が過信につながって。紙一重ではありますが、そのあたりは気をつけています。引き締めという意味で、若手選手には自分の経験を基に伝えられると思います」
 
 「紙一重」とは具体的にどういう部分か。

「そこが難しいところで、今、僕は葛藤しています。どれが自信で、どれが過信なのか、それを判断するのは難しいです。昔よりは判断できるようにはなって若い時よりは失敗しないようになっていますが、それでも難しいです」

 では、過信にならないために何が必要か。

「自分を戒めることかと。みんな完璧ではないので、向上したいとか、成長したいとか、熾烈なレギュラー争いを制すとか、良い意味での欲が大事になると思います」

 ここから日本代表が白星をさらに積み上げれば、自信と過信の見極めがさらに求められるだろう。その意味で、長友は重要なキーマンとも言える。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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