10月13日、アルビレックス新潟はルヴァンカップ準決勝・第2戦で川崎フロンターレと敵地で対戦。第1戦を4-1と圧勝していた新潟は、第2戦も2-0で勝利。2戦合計で6-1とし、クラブ初の決勝進出を決めた。
川崎との2試合で素晴らしい出来を披露したのが、特別指定選手(2025年の入団が内定)のCB稲村隼翔だ。東洋大に在学中の22歳は、同ポジションの主力であるトーマス・デンがワールドカップ・アジア最終予選へ向けたオーストラリア代表に選出されたこともあり、クラブと大学の協議を経て、チームに合流。当初は第1戦のみの出場を予定していたが、第1戦で勝利に貢献した結果、第2戦も引き続き帯同する形になり、先発を果たした。
すると第2戦でも、稲村は攻守に輝きを放った。本人が「フィジカルでは、まだ相手に敵わないので、頭を使って守る」と自らのプレーを分析した通り、サッカーIQの高さが窺えるポジショニングと鋭いインターセプトでピンチの芽を摘むと、利き足の左足での正確なパスで攻撃を活性化。CBでコンビを組んだ舞行龍ジェームズも「すごくやりやすかった」と、そのプレーぶりを評した。
本人は自身の出来について、手応えと課題を口にする。
「自分の力で決勝に行けたとは思っていませんが、第2戦は無失点でしたし、チームに貢献できたなら良かったかなと。第1戦で勝利して、リードした状況で臨んだ第2戦だったので、前に出すぎず後ろを固めて、ゼロで終えられるように意識しました。ビルドアップでは慣れないピッチに苦戦して精度が伴わない場面もあったので、そこは課題です」
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準決勝の2試合で好プレーを見せただけに、気になるのは10月18日に行なわれるリーグ戦の横浜F・マリノス戦と、11月2日のルヴァンカップ決勝の名古屋グランパス戦に出場できるか、という点だろう。
松橋力蔵監督は「まだノープラン」と語り、稲村も「まだ分からない。大学、クラブと相談して決めたい」と話したが、そのうえで現役大学生DFは次のように続けた。
「日本一を決める舞台というのは、なかなか経験できないし、成長できていると実感しています。もし決勝のピッチにも立たせてもらえるなら、色々な人の想いを背負って戦いたいと思います」
準決勝・第2戦に向けては、東洋大の井上卓也監督から「行きたいほうに行ったらいい」と背中を押してもらったという。また、大学のチームメイトからは「頑張ってこい!」とのメッセージを受け取った。
改めて稲村が決勝の舞台に立てるかは、まだ分からない。ただ、新潟のファン・サポーターだけでなく、大学でともに戦う選手・スタッフの想いまで背負って戦う45番が国立競技場のピッチに立てるなら、タイトル獲得へ向けた非常に心強い戦力となるはずだ。
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
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