「Adobe Project Neo」(ベータ)発表。新次元のクリエイティブビジョンを実現へ

アドビはクリエイティビティカンファレンス「Adobe MAX」にて、「Adobe Project Neo」(ベータ)を発表した。
Adobe Project Neoは2023年の「Adobe MAX」の「Sneaks」セッションで初お披露目されたWebアプリ。

このWebベースのデザインツールは、立体的なデザイン、グラフィックス、イラストの作成に新風をもたらすという。Adobe Project Neoがあれば、2Dの限界にとらわれない。あらゆる3Dの角度からデザインを探求し、ベクターの照明やシャドウをリアルタイムでダイナミックに調整し、作業時間を節約できる。以前は非常に手間がかかった作業も、今後は数分で完了できるようになり、面倒な調整作業に悪戦苦闘することなく、クリエイティビティを発揮することに専念できるとしている。

今回のプライベートベータ版には、これまで6万2,000人以上のユーザーが参加しており、寄せられた貴重なフィードバックによって、Adobe Project Neoの開発は進化し、新機能の追加を実現。3D作成ツールの技術的な専門知識がないデザイナーにとっても、立体形状のコンポジションを最初に作成し、グラフィックデザインのワークフローを加速できるという。


Adobe Project Neoが採用するWebベースの直感的なインターフェイスは、デザインのユースケースに特化しており、Adobe IllustratorなどのAdobe Creative Cloudツールのユーザーであれば、誰でも親しみを感じられるものとなっている。シェイプ エディター(Shape Editor)機能は、慣れ親しんだデザインとUIに従っており、既存のデザインワークフローと連携することで、すぐに使い始めることが可能。

Adobe Project Neoアルファユーザーで、アドビ シニア アートディレクターのアンソニー ゲンリンソ(Anthony Genlinso)氏は次のようにコメントしている。

使い勝手の良いAdobe Illustratorで3Dを操作することで、私のアートワークに新しい次元が生まれます。

クリエイティブなアイデアを探求しながら、コンセプトをいち早く視覚化し、多数のバリエーションを迅速に編集することで、シェイプ、照明、角度、遠近感を編集、変更、回転させて理想的な仕上がりを実現できる。そして、Adobe Project Neoで作成したアートワークをSVG形式としてAdobe Illustratorに直接送信することで、ユーザー独自のデザインスタイルに合わせた形でコンポジションをシームレスに編集、改良、カスタマイズできる。

さらに、3Dタイポグラフィのサポートにより、追い出し/面取りフォントも素早くデザインに取り入れることが可能。テキストをシームレスにブレンド、配置して、3Dタイポグラフィとシェイプを組み合わせることで、品質の高い仕上がりを実現できる。

グラフィックアーティスト&コンテンツクリエイターのカレブ ゴーニャ(Kaleb Gonyea)氏は次のようにコメントしている。

Adobe Project Neoは、3Dデザインが誰にとっても身近な存在であると感じさせてくれます。ベクターアーティストとして、ワークフロー間の切り替えはシームレスに感じられます。

Adobe Project Neoでは、アートワークをリアルタイムかつ共同で閲覧できるため、他のチームメンバー、ステイクホールダーや、クライアントとのコラボレーションも大幅に向上する。デザインコンポジションのリンクを共有するだけで、誰もが異なる角度から確認することが可能。

変更のリクエスト時など、同一ファイル内でコンセプトのバリエーションを素早く作成することで、レビュー/承認プロセスを加速化する。Adobe Project Neoによるデザインでは、ユーザーはアートワークを完全にコントロールでき、レビュー中にファイルが変更される心配はないとしている。


Adobe Project Neoの可能性を探りたい場合は、パブリックコミュニティギャラリー内のAdobe Project Neoで作成されたアートワークが参考になるという。

Adobe Project Neoのヒストリーパネルのスライダーを使用して、コミュニティに共有された特定のデザインの制作プロセスをタイムラプス形式で確認できる。コンポジションの作業を逆転させることで、Adobe Project Neoのアートワーク作成で使用されたステップやテクニックを理解できるという。

グラフィックデザイナーのケルシー(Kelsey)氏は次のようにコメントしている。

ギャラリーを訪問し、Adobe Project Neo内の幾何学的なシェイプや各種ツールから、人々がありとあらゆるデザインを作成している様子を垣間見ることができることは、本当に有益で刺激になります。