歯周病の検査はレントゲンと「プローブ」という針状の器具で「歯周ポケット」の深さを調べる。
「主に歯と歯茎の境目にある溝の深さをチクチク刺して検査します。3ミリ以上になると歯肉炎などの炎症を起こしやすくなり、4~5ミリだと初期、6ミリ以上になると重度の歯周病、8ミリ以上になると歯が抜け落ちてしまう可能性も出てきます。歯周ポケットに食べ物のカスなどからできた『歯垢』が溜まると歯茎に炎症を起こし、さらに炎症が広がり、溝を深めてしまう」
歯垢は歯ブラシだけで取り除けるのだが、
「掃除をする際に場所や工程によって、はたきや掃除機を使い分けるのと一緒で、歯磨きでも歯ブラシ以外に糸楊枝と呼ばれる『デンタルフロス』や『歯間ブラシ』が欠かせません。歯に挟まった食べ物を爪楊枝で取り除いて満足するのはNG。どうしても食べかすが歯と歯の間に残ってしまいます。フロスや歯間ブラシの習慣がない人は歯周病のリスクを確実に高めてしまう」
歯垢をほったらかしにすると、唾液と結合して「歯石」となって歯の境目にこびりつく。
「歯石があるから歯周病というわけではありません。ただし、歯周病菌が繁殖しやすく、炎症も起きやすくなります。表面をキレイにして炎症が治まれば軽度ですが、中~重度になると歯茎の中を開くなどして掃除する必要が出てきます。こちらも定期的に鏡で歯石がついていないかチェックした方がいいでしょう。特に唾液腺に近い、下の前歯の裏側は溜まりがちなので要チェックです」
口内炎ができやすいのもサインの1つだ。
「こちらも必ずしも歯周病とはなりません。とはいえ口内炎ができると、痛みから歯磨きがおざなりになりがちです。口腔内の衛生状態が芳しくなくなるケースが少なくありません。また、喫煙習慣も歯周病を悪化させます。タバコに含まれる成分が血流を悪くしてしまうのです。治療をしても治りが悪い傾向があります」
最後に、相性の悪い疾患を紹介しよう。
「糖尿病になると唾液の分泌量が減ったり、免疫力が低下したりするため、歯周病を悪化させてしまいます。同様に歯周病であると、糖尿病の血糖コントロールが難しくなるとも言われている。糖尿病の方はマストで歯科検診を受けてください」
しばらく歯医者がご無沙汰ならば、症状が出ないだけで歯周病に蝕まれているかも‥‥。
【「歯周病」チェックシート⑭】
セルフチェックで5点以上なら近くの医療機関へGO!
①朝昼晩の食後に歯磨きをする習慣がない 1点
②虫歯になったことがない 1点
③喫煙習慣がある 1点
④口内炎ができやすい 1点
⑤起床時に口が乾いている 1点
⑥3カ月以内に歯医者に行った記憶がない 1点
⑦人に口臭が臭いと言われた 2点
⑧歯茎から出血がある 2点
⑨鏡でみる自分の歯が長くなった気がする 2点
⑩歯に食べ物がよく挟まる 2点
⑪デンタルフロスや歯間ブラシを使用する習慣がない 5点
⑫歯茎が腫れている 5点
⑬糖尿病である 5点
⑭前歯に付着した歯石が目視できる 5点