TGM Grand Prixは、2024年11月に行なわれるマカオGPのドライバーラインアップを発表。小川颯太と佐藤凛太郎の布陣で臨むこととなった。
これまでは国内トップカテゴリー参戦チームの実働部隊として活躍し、近年は“TGM Grand Prix”の名でスーパーフォーミュラに参戦しているセルブスジャパン。今年からフォーミュラ・リージョナル車両によって争われる伝統のマカオGPへの参戦を打診され、TGM Grand Prix名義での参戦を決めた。
2024年のマカオGPは11月14日〜17日にかけて開催されるが、大会まであと1ヵ月に迫った10月15日、彼らはドライバーラインアップを発表し、小川と佐藤の起用を明らかにした。
10月で25歳となった小川は、かつてトヨタのスカラシップを得てFIA F4に参戦するなど、ミドルフォーミュラで活躍してきた。昨年はフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)でチャンピオンに輝き、今年はTGM Grand Prixのシミュレータドライバーも務めている。
一方の佐藤は弱冠18歳。元F1ドライバーで2度のインディ500ウイナーである佐藤琢磨を父に持ち、カートの世界選手権で経験を積んだ後帰国し、今年はホンダ・レーシングスクール鈴鹿(HRS)を受講する傍らでPONOS RACINGからFIA F4に参戦している。
「マカオGPは伝統のレースですし、世界で数少ないワールドカップと呼ばれるカテゴリーです。ル・マン24時間レースなどはありますが、今ではそういった世界戦に参戦する日本人は少ないですし、我々自身も最近そういった機会がありませんでした。そんな中でFIAから招待を受けましたが、これは世界のレースで競争していきたいという我々の理念に合致しているため、参戦を決めました」
そう語るのは、TGM Grand Prixの池田和広代表だ。彼は上記のドライバー起用に至った経緯についても説明。昨年のFRJ王者である小川の起用については、ごく自然な流れだと語った。
「我々(セルブスジャパン)はFRJに初年度から、名前と形は違えど(Sutekina Racing名義)参加させていただいていますが、昨年はウチのチームではありませんが小川選手がチャンピオンを獲得しました」
「その日本チャンピオンが、世界中の王者が集まるであろうワールドカップに参戦するのは自然な流れですし、FRJにも恩返しができるであろうということで、彼に決めました。また小川選手は今年、我々のシミュレータ開発ドライバーとして所属していただいてますから、そういう意味でも自然な流れですね」
そして佐藤については、父親譲りとも言えるアグレッシブで光る速さを見せる点に惹かれたという。また池田代表は簡単ではないとしつつも、2001年のマカオGPを制した父に続く“親子制覇”を期待したいと述べた。
「もうひとり、佐藤凛太郎選手に決めたのは、お父様の存在もなくはないです。ただ、彼自身の速さに惹かれたというのが一番の大きな理由です」
「アグレッシブなんですよ、これが。言い方を悪く言えばちょっと危ないんですけど……(苦笑)。でも速いドライバーって、そういう要素を兼ね備えているんですよね。これは最初のテストをした時から見受けられましたね」
「最初から踏んでいけるという感覚、センサーは、全員が持っているものではありません。そこに光るものというか、原石を感じましたね」
「彼は4輪レースを始めたばかりで、いきなりリージョナルにステップアップするわけです。練習機会も少なく、壁ばかりのコースということで、厳しいかもしれません。壮大な目標になって彼自身にとってはプレッシャーになるかもしれませんが、親子でマカオ制覇というのは、誰しも見たいところだと思います」