「何もないクロス」からの失点は必然!?  GK鈴木彩艶の発言から浮かび上がる準備不足とクオリティ不足【日本代表】

 2024年10月15日、北中米ワールドカップのアジア最終予選で日本代表がオーストラリア代表と1-1で引き分けた。堂安律が「何もないクロスからやられた感じがあります」と試合後に話したとおり、オーストラリアの先制点は日本がプレゼントしたような形から生まれた。

 オウンゴールを献上した谷口彰悟のクリアミスにスポットが当たりがちだが、失点は彼ひとりの責任ではない。あの場面、ルイス・ミラーがクロスを上げる前のプレスは準備不足で緩く、どこかフワッとした状態だった。

 失点の一因が、GK鈴木彩艶のキック。57分、彼が南野拓実に向けて蹴ったボールを相手にヘッドで跳ね返されて、そこからピンチになった。そのパスミスを鈴木は以下のように振り返った。

「(鈴木のパスに対して)拓実くんはオフサイドが気になったみたいで、そこで競れなかったと。僕のボール自体、左足でもしっかりと敵の背後に蹴らないといけませんでした。ボールの質を含めて改善したいです」
 
 谷口のクリアミスによって自陣ゴールに向かってきたボールには反応できたのか。そうしたニュアンスの質問に対し、鈴木は「もう少し予測はできたかもしれません。しっかりと準備していれば可能性を広げることはできたでしょう」と回答した。

 クロスの前の日本のプレスがもう少し機能しており、そのクロスのコースをより限定できていれば、それこそ「何もないクロス」になったかもしれない。日本のミスを細かく見ていくと、必然の失点との捉え方もできるか。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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