舞台は50年後の老人ホーム。ボカロPやコスプレイヤーだった高齢者が暮らしています。若い職員らはジェネレーションギャップに戸惑いつつも、シニア世代の人たちが現役だった時代のエピソードを楽しんでいるようです。レクリエーションで歌う曲の選曲も個性的なようで……。作者の金沢真之介さんにお話を聞きました。



有名アーティストにも楽曲を提供していた元ボカロPの老人(金沢真之介さん提供)

【マンガ本編】「昔はボカロPだったんじゃ」50年後の老人ホームがカオス! 「実現してそう(笑)」

「令和レトロ」の話題で盛り上がる様子にほっこり

 老人ホームで「わし昔ボカロPやったんじゃ」と言う入居者のおじいさん。しかし、いまいちピンときていない若い職員たちもいます。そのほかにも、若い頃にコスプレイヤーをしていたおばあさんなど、個性豊かな入居者の方ばかりが暮らしています。なぜならそこは2070年代、50年後の老人ホームだからで……?

 金沢真之介さん(@koikanazawa)による創作マンガ『50年後の老人ホーム』がX(旧:Twitter)上で公開されました。いいね数は14万を超えており、読者からは「こんな老後が良いなと思える素敵な作品」「むしろ50年後は介護スタッフさんがボカロボットになってそう(笑)」「介護士だけどこんな職場で働いてみたい(笑)」などの声があがっています。

 金沢真之介さんは漫画家として活動しています。Web雑誌「ガンガンONLINE」にて連載中のマンガ『会社と私生活-オンとオフ-』既刊2巻(スクウェア・エニックス)がKindleにて発売中です。働く人びとの会社(オン)と私生活(オフ)がある日常を描いた作品で、登場人物たちのギャップにキュン必至の物語は必見です。

 作者の金沢真之介さんにお話を聞きました。

ーー今作『50年後の老人ホームシリーズ』を描いた理由や、生まれたきっかけを教えて下さい。

 妻が突然「ワシ昔ボカロPやったんじゃ」と言い出したのがきっかけです。「何それ面白そう!」と思いマンガにしてみました。



女装ロリィタに男装パンク!? ビジネスマンたちのギャップがクセになる『会社と私生活-オンとオフ-』第1巻 著:金沢真之介(スクウェア・エニックス)

ーー「元ボカロPのおじいちゃん」と「元歌い手のおじいちゃん」のキャラメイクが評判です。キャラクター制作でこだわった点はありますか?

 リアルなおじいちゃんを描きたいので、資料写真を元に描いています。特に顔のシワや首のたるみはこだわっています。元歌い手のおじいちゃんに、今どきの服っぽいパーカーを着せたのもこだわりのひとつです。

ーー2024年現在、今のご高齢の方たちの若い頃のことで、金沢真之介さんが印象に残っているものや衝撃を受けたものなどがあれば教えて下さい。

 妻のおばあちゃんは鶏肉が苦手で、その理由を聞いたところ「飼育していた鶏をしめるのを思い出してしまうから」と聞いたときは驚きました。卵を売ったり、食べたりするたりするために飼育していたそうです。