アルピーヌF1のエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、獲得を目指していたカルロス・サインツJr.がウイリアムズ移籍を決めたことについて、失望はしていないと語った。
アルピーヌはピエール・ガスリーとの契約を更新した一方で、エステバン・オコンとは袂を分かつことを決定。後任選びはチームにとって重要な問題となったが、ブリアトーレがアドバイザーとしてチームに加わった6月以降は、フェラーリを離脱するサインツJr.の獲得競争に名乗りを挙げていた。
アウディ/ザウバーやウイリアムズ、そしてアルピーヌのオファーを慎重に検討したサインツJr.は、結局ウイリアムズを選んだのだ。
ブリアトーレは、サインツJr.を逃したことについて「失望はなかった」と『Motorsport-Magazin.com』に語った。
「カルロスは候補のひとりだったが、(交渉が)遅すぎた」
アルピーヌはサインツJr.にアルピーヌのF1プロジェクトに参加するよう説得を試みたが、それは2026年からルノーがパワーユニット開発を終了し、メルセデスのカスタマーパワーユニットを採用するのではないかという噂が水面下で流れていたときだった。こうした不確定要素は、交渉に不利に働いたであろう。
また、ブリアトーレはアルピーヌにとって、速いドライバーを集めることを考える前に、競争力のあるマシンを作ることに集中することが重要だと考えている。
「もしクルマがパフォーマンスを発揮しなければ、どのドライバーにステアリングを握らせても意味がない」
そう語ったブリアトーレは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の現状を例に挙げた。
「1年前、彼(フェルスタッペン)がすべてのレースで優勝していた。今は他のクルマが競争力を持ち、他の若いドライバーが彼の前を走りレースで勝っている」
「私は(ドライバーに)何百万ユーロも使いたくない。ぜなら、今のところ我々にとって何の違いも生まないからだ」
「それに今は若いドライバー(ジャック・ドゥーハン)がいるしね」
しかしながら、ブリアトーレはウイリアムズと複数年契約を結んだサインツJr.が将来的にアルピーヌのドライバーになる可能性を否定したくはないようだ。
「もしカルロスが2026年に(アルピーヌのために)ドライブしたいと望むなら、我々はそこにいる」
「まず、はっきりさせなければならない。我々はシステムを変え、アルピーヌ全員のやる気を見なければならない」