ADDICT CLOTHES JAPANのブーツラインとなるADDICT BOOTS。目指したのは、ヘビーデューティすぎず、ドレッシーすぎない絶妙な塩梅。そしてレザーのエイジングを存分に楽しむためのクオリティ。頑丈な素材や生産工程を踏みながらも、モダンなシルエットを構築するには革のレシピから始まり、数ミリ単位で調整した木型、そして卓越した職人技が不可欠だ。
独自のバランス感覚から生まれる孤高のブーツ。
ADDICT CLOTHES Owner 石嶋聡|1978年生まれ。10代の時にライダースジャケットに出会い、その独特な佇まいに魅了される。その後、UKモーターサイクルジャケットを追求し、2006年に専門店ADDICT CLOTHESをオープン。そしてオリジナルブランドであるADDICT CLOTHES JAPANをスタートした。
世界的に評価を得る数少ないレザージャケットブランド、ADDICT CLOTHES JAPAN。ブーツラインとなるADDICT BOOTSは、その圧倒的な作り込みをみれば、ひとつのブランドとして独立させた意図がよくわかる。数ミリ単位でこだわったオリジナルラストに、独自のレシピで仕上げ革を組み合わせた製品は、唯一無二の仕上がりだ。
「目指したのは、ギアのようなヘビーデューティさはなく、ドレス的な要素が強すぎない絶妙なバランスです。そうは言ってもバイクにも乗れるようなタフさもありますし、うちの世界観にあったファッション的な華やかさがあるものを表現しています。あとはエイジングした際の表情ですね。牛革の製品もありますが、ホースハイドの方がブーツの素材としておもしろく、比重は多いです」
右/AB-03H-ST HORSEHIDE CHELSEA BOOTS
スタンダードな木型に位置するSTラストを用いたチェルシーブーツ。ワイルドな表情を持つ北米原産のホースハイドに、スマートな印象のサイドゴアを組み合わせている。¥99,000_
左/AB-01H-CL HORSEHIDE ENGINEER BOOTS
当ブランドの木型の中で、もっとも薄いつま先を持つCLラストを用いることで、シャープなフォルムに仕上がった定番モデル。素材はオリジナルレシピでの茶芯のホースハイドを採用する。¥121,000_
レザージャケット同様に、エイジングした際の豊かな表情を想定して、レザーのオリジナルレシピを考案している。といってもレザージャケットと同じ革は使わず、すべてシューズ用に開発しているというからおもしろい。
これまでに数々のオリジナルラストを開発してきたが、現在使っているのは5種類。ただヒールの高さが変わるだけでも、ラストを変更しており、数ミリ単位でこだわり、常に黄金比を追求している。
ショップの一角には、ADDICT BOOTSのコーナーがある。どれも無骨な雰囲気ながらも、気品があり、石嶋氏の狙い所がよくわかった。
【DATA】
ADDICT CLOTHES
https://www.addict-clothes.com
(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)