【取材】井上咲楽「太眉をやめた決断の裏側」「現在のはたらき方」

変化を恐れず、自分らしさを模索する

そんな井上さんの人生を大きく変えたのは、『今夜くらべてみました』でトレードマークだった太眉を剃るという企画でした。それは単なる外見の変化だけではなく、自分自身との向き合い方を根本から変える転機となりました。

「もちろん剃ります」と即答したその瞬間、井上さんの中で何かが動き出しました。「1回でも売れるチャンスがあるなら、売れたい」という強い想いが、長年抱えてきた不安や葛藤を押し流していったのです。

この大きな決断は、予想以上の反響を生みます。

「眉毛を剃って仕事の量がもう何十倍に増えて、仕事ってこんなにもらえるんだ、みたいな。びっくりしました」

井上さんの目に映る世界が一変したのです。同時に、井上さんの内面にも大きな変化が起こっていました。

「頑張る方向が分かるっていうのが一番幸せでしたかね。仕事があるから、いろいろなことをアウトプットする場もあるし、こういうふうに頑張ればいいんだとか、自分はこういうことが向いてるんだっていうのがだんだん分かってくるんです」

仕事が増えたことで、自分の適性や努力すべき方向性が明確になっていったのです。例えば、新たに趣味として始めたマラソン。実際に挑戦してみると、それが新たな仕事の柱になっていったのです。井上さんは「今までマラソンが仕事になるなんて思ってもいなかった」と振り返ります。
さらに、料理への挑戦も井上さんの新たな一面を引き出しました。当初は「見せられるような派手な料理じゃない」と思っていた自身の家庭料理。しかし、SNSでの反響をきっかけに、料理本の出版という思いもよらない展開につながりました。

予想外の成功に驚きつつも、新たな可能性を見出した井上さんはこう語ります。

「報われるかどうかとか、仕事につながるかどうかっていうのは、やってるときには絶対に分からないんです。でも、それが分かったから、これが仕事につながるか分かんないことでも、頑張れるようになったというか。何かをやってみようかなって思えるようになりましたね」

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はたらく人へのアドバイス

最後に、井上さんから、はたらく人へのアドバイスをいただきました。

10年以上、「3年日記」を書き続けている井上さん。自分との向き合い方について、このように語ります。

「私、『ここまでできるだろう』っていうのを無意識のうちに勝手に設定して始めるから、ちょっと挫折すると、自分は全然ダメなんだってなっちゃうんですよ。

モヤモヤを消せたら一番いいんですけど、消せないときは素直に日記に書いてます。そういう気持ちを素直に出すのは、1つ楽になる方法かなって」

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「『去年から全然変わってないな』みたいなところが客観視できると諦めがつくっていうか。私はできないことが多いので、そういうもんだと思って書いてます。今しか思えないことだから」

「止まってちゃダメなんだなって。諦めないでやることも大切だけど、向いてないって感じたときは、次どうするかを考えられたらいいなって。周りに『これ向いてんじゃない?』みたいに言われてやったことが意外とうまくいったりとか。それはありますからね。

『得意だと思ってなかったけど、やってみたらできたこと』 に目を向けてみると、自分も救われると思います」

※今回お伝えし切れなかったフルバージョンの動画はYouTube『スタジオパーソル』にて公開中

(文:間宮まさかず)