レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは先月、現在スーパーフォーミュラに参戦中の岩佐歩夢について、来季も同シリーズに参戦させる予定だと語った。しかし岩佐本人は、現時点では言えることはないと明かした。
岩佐はホンダとも関係が深く、レッドブルのジュニアドライバーにも名を連ねているドライバーだ。実際今季の彼はスーパーフォーミュラにフル参戦しつつ、F1が開催される週末にはイギリスのミルトンキーンズに滞在し、シミュレータドライバーとしてRBの戦いをサポートしている。
しかしレッドブルとホンダのF1における関係は来年いっぱいまで。共同体制で行なわれてきたドライバー育成プログラムも、今年限りで終了する方向だと言われる。
今年のアゼルバイジャンGPの現場でmotorsport.comの独占取材に応えたマルコ博士は、今後の岩佐との関係について次のように語った。
「岩佐とはまだ(関係を)続けていくことになる」
「彼はスーパーフォーミュラにもう1年参戦し、レーシングブルズ(RB)のリザーブドライバーになる。しかし、我々が今年ほどの関与をすることはないだろう」
「来年の段階で既にレッドブルリバリーのマシンは(スーパーフォーミュラから)なくなる。単なるブランディングになるんだ」
これについて、現時点で何か話せることはあるか? スーパーフォーミュラの第6戦と第7戦が行なわれた富士スピードウェイで岩佐に尋ねたところ、彼は次のように語った。
「お伝えできることは正直ないです」
「僕自身、F1のシート獲得に向けて頑張っているところです。そのためには、まずは目の前のスーパーフォーミュラで結果を出すこと。そして、今担当しているシミュレータでのパフォーマンスでも、チームに貢献できればできるほど、チームからの評価も良くなります。ですから、そこも全力でやっています」
「そういう自分が今できることを、とにかく全力でやっている状況です」
なお岩佐は今年、日本で自らがプロデュースするイベントなども開催しているが、そういう活動により日本での認知度を高め、ファンを獲得することも、F1シート獲得に繋がる重要な要素になっており、レッドブルからもそう言われていることを明かした。
「スーパーフォーミュラに参戦することが決まった時、レッドブルの人、それこそマルコさんと話した時に、『日本で過ごす時間の隙間時間をしっかりと有効活用して、日本での認知拡大、ファン層拡大ということをしっかりとやってきなさい。そしてある程度認知度がある状態でF1に上がってみなさい』と言われましたね」
「そういうところはF1シート獲得に向けて必要な要素という部分が、年々大きくなっているのは自分でも目に見えています」
岩佐はスーパーフォーミュラ第7戦の後しばらくは日本に留まり、チームとのミーティングを行なうという。そのため、アメリカGPの週末にはシミュレータでの業務は行なわない予定。しかしその翌週、メキシコシティGPの週末にはミルトンキーンズに行き、シミュレータドライバーの重責を担うという。