アメリカの大手通信会社であるAT&Tは、10年以上に渡ってレッドブルF1チームと協力しているが、このパートナーシップが2025年以降も延長・拡大する。
AT&Tの技術を使うことで、レッドブルは可能な限り迅速にデータを収集し、分析することができる。すべてのF1レースで「40億の方程式(計算)をサポート」し、「250以上のセンサーからのデータ」がミルトン・キーンズにあるレッドブルのファクトリーに送られるという。
「オラクル・レッドブル・レーシングは、AT&Tのチームへの貢献を高く評価しており、彼らのパートナーシップとコネクティビティに関する専門知識は、レーストラックでの我々のオペレーションにとってミッションクリティカル(業務遂行に必要不可欠な要素)であると考えている」
チーム代表であるクリスチャン・ホーナーはそう語った。
「レースは、コース上でスタートライトがフラッシュするずっと前から始まっている。AT&Tは1日目から勝利の準備を整えるための重要なパートナーだ」
AT&Tと言えば、2007年からウイリアムズF1チームのメインスポンサーを務めており、当時ウイリアムズがトヨタのエンジンを使用し、中嶋一貴がドライビングしていたことから記憶に残っている日本のファンも多いだろう。
5年間ウイリアムズのメインスポンサーを務めたAT&Tは、2011年限りでスポンサーを降りたが、同年からレッドブルとのパートナーシップがスタートした。ただ、レッドブルではあまり目立った位置にAT&Tのロゴが掲げられることはなく、今年のレッドブルRB20のマシンにも、レーシングスーツにもそのロゴは発見できない。
しかし新しい契約は2025年シーズンの開幕から開始され、両者はより緊密に協力することになる。レッドブルのマシン、ドライバーのレーシングスーツ、チームキットにAT&Tのブランドロゴが入るほか、スポンサーボードやメディアウォールにもAT&Tのロゴが入ることになる。
AT&Tのチーフ・マーケティング&グロース・オフィサーであるケリー・ケニーは「オラクル・レッドブル・レーシングに、レース前とレース当日に必要不可欠なコネクティビティを提供することは、我々のチーム全体にとっての誇りだった」と語った。
「我々の新たなパートナーシップは、さらに大きな可能性を切り開くものだ。技術面における長年の協力関係を活用し、深く意味のあるストーリーを伝えるだけでなく、ファンを喜ばせ、興奮させるような新しく革新的な体験を創造することができるだろう」
この契約は、今週末にオースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されるF1アメリカGPに先駆けて発表されたもの。現在ドライバーズランキング首位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、約1ヵ月の休みを挟んで臨むアメリカGPで復調し、コンストラクターズランキングで首位に立つマクラーレン勢に対抗することができるよう期待を寄せている。