新庄剛志 (C)週刊実話Web

クライマックスシリーズ(CS)でも「新庄劇場」は健在だった。一発のある大砲タイプの清宮幸太郎(25)を2番に、シーズン打率2割5分6厘の郡司裕也を4番に使うトリッキーな打線で10月12日、ロッテとのCSファーストステージが開幕。13日の第2戦は劇的なサヨナラで制した。

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ファイナルステージ初戦となった16日のソフトバンク戦は5-2で敗れたものの、新庄剛志監督(52)は「まだまだまだー! あした、あした!」「4勝されるまでは、みんな間違いなくあきらめないんで」とコメント。さらにソフトバンクの打線を「さすがやなー」とたたえ、報道陣を笑わせた。

これで新庄日ハムは相手のアドバンテージも含め、2敗と苦しい戦いとなったが、注目すべきは、肝心の選手たちが「日替わり打線」を快諾し、指揮官の意図を理解しようとしていることだ。

また、新庄監督はCS前に、意味深な発言も。

「去就? それは今後の戦い方次第。完全燃焼したら、もう責任を果たしました〜ってなるかもしれないし、(悔しくて)くぅーってなって、やり返したろと思ったら、(来年も)またあるし。それはもう、戦い方次第ですね」

要は、気持ち次第で自身の進退を決めるということらしい。

この発言は、レギュラーシーズン終了後の10月8日に出たもの。新庄監督は記者団のどんな質問にも正直に答えてくれるので、本心から出た言葉だろう。

インスタやDMをフル稼働

退任の可能性もあるが、今季の新庄日ハムの成績は75勝60敗8分け。2年連続最下位からリーグ2位まで押し上げた手腕は誰もが認めるところ。その勝因も外部補強ではなく、若手選手の成長が一番なのだから、「もっと続けてくれ!」とファンも思っているはずだ。

若手育成、ファンに愛されるチームを目指す新庄監督の胸の内にあるのは「LOVE」。チーム関係者によれば、新庄監督はインスタグラムのDM(ダイレクトメール)を使って、選手に直接話し掛けてきたようだ。

キャンプ直前のケガで前半戦を棒に振った清宮がファーム戦に出場したことを知ると、励ましのDMを送る。またしばらくすると、「あと(安打を)15本打ったら一軍に呼ぶよ」と伝えるなどしていたという。

「伊藤大海(27)にも『最多勝が獲れる、15勝も』と鼓舞してきました。監督室にテレビ5台とiPad数台があります。ファーム戦、高校野球、セ・リーグ戦もチェックしています。だから技術面での助言も具体的なんです」(チーム関係者)

テレビ5台とiPadを同時チェックするところが新庄監督らしいが、不振に喘ぐ選手がいたら、自身の現役時代の失敗談も聞かせてきた。その意味でも“新庄劇場”の延長が、来期に臨む日本ハムの最高のチーム強化策と言えそうだ。

「週刊実話」10月31日号より一部内容を変更