今夜(10/17)はスーパームーン! / Credit:Wikipedia Commons_スーパームーン
今夜(10月17日)は、2024年で最も大きな満月である「スーパームーン」を見ることができます。
平均よりも14%も大きく見える月は見ごたえ抜群です。
ぜひ今夜は外に出て美しいスーパームーンを眺めてみてください。
この記事では、どうして月の大きさが異なって見えるのか、また、仕事帰りに見ることで一層大きく見えるのはなぜか、その理由を解説します。
目次
スーパームーンの定義月の大きさが異なって見える理由今夜(10/17)は、2024年最大の満月「スーパームーン」
スーパームーンの定義
ニュースなどでよく話題になる「スーパームーン」という言葉は、「地球から見た月が最大に見える状態」を指して利用されています。
しかし実は、この言葉は天文学の正式な用語ではなく、もともとは占星術に由来するものでした。
2016年11月14日のスーパームーン / Credit:Wikipedia Commons_スーパームーン
この用語は、1979年に占星術師Richard Nolle氏が独断的に定義したものであり、彼によると、スーパームーンとは、「地球に最接近(90%以内)した新月または満月」のことです。
しかし新月では、地球から見て月と太陽が同じ方向にあり、地球上から月が見えなくなっています。
そのため現代では、スーパームーンという言葉を「満月」にのみ使用することがほとんどです。
Nolle氏の「月が地球に最も近づいた近地点の90%以内」という定義を考慮すると、スーパームーンは年に数回観測されることになります。
ただし、Nolle氏は「90%以内」という数字を定めた理由を説明していません。
そのためスーパームーンの定義自体が曖昧であり、日本などではこの言葉を、「今年見える満月のうち、最も大きなもの」として使用しています。
こうした背景を考えると、スーパームーンという言葉は、文脈によっていくらか意味が異なる場合がありますが、一般的な理解としては普段より大きい月という理解で問題はないでしょう。
(※この記事では、スーパームーンを「今年最大の満月」の意で使用します)
ここまでは、スーパームーンの定義について考えてきました。
では、どうして1年のうちに月のサイズが大きくなったり小さくなったりするのでしょうか。
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月の大きさが異なって見える理由
月の直径は約3470kmと一定です。
では、どうして地球から見た月の大きさは変化するのでしょうか。
それは、実際の大きさに限らず、近くにあるものほど大きく、遠くにあるものほど小さく見えるからです。
これは当たり前の効果ですね。
そして月と地球の距離がその時々で異なるので、地球から見た月の大きさも変化します。
この距離の違いを生じさせているのは、月の軌道です。
月の軌道は楕円形 / Credit:Wikipedia Commons_月の軌道
月は地球の周りを公転していますが、この軌道は円形ではなく楕円形です。
そのため月と地球の距離は、月が地球に近づく「近地点(地球から約35万7000kmの距離)」から、月が地球から遠ざかる「遠地点(地球から約40万6000kmの距離)」まで変化しています。
これが、月の大きさが異なって見える理由であり、近地点の時に最も大きく見えます。
そして月が、約29.5日ごとに訪れる「満月」の状態で、なおかつ近地点付近にある時、非常に大きな満月を見ることができます。
満月は毎月1回は見ることができますが、その満月の中でも1年で最も近地点に近くなるものが、「スーパームーン」と呼ばれているのです。
では、2024年で最大の満月となる「スーパームーン」はいつでしょうか。