フォーミュラEのシーズン11(2024-25)開幕に先立ち、日産は新マシンデザインを公開した。
シーズン11からフォーミュラEはGEN3“Evo”レギュレーションを導入。それに合わせてマシンも進化する。
従来のGEN3から見た目の変化は少ないが、Evoモデルでは、これまでエネルギー回生に使用されてきたフロントのパワートレインで駆動が可能になる。最高出力350kW(約476PS)のリヤパワートレインに合わせて、予選デュエルや決勝スタート時、アタックモード使用時にフロントから最大50kW(約68PS)を発生させることで、一時的に4輪駆動となる。
またパワートレインの他にも、GEN3 Evoではフロントウイングのエンドプレートが変化。リヤタイヤ前のカウルにはウイング状の小さなディフレクターが追加された。
GEN3 Evo導入に合わせて、日産は新デザインのマシンを公開。シーズン9(2022-23)以来フォーミュラEで一貫して使用してきたモチーフを踏襲し、ホワイトの部分に桜の木が描かれた。
前シーズン、オリバー・ローランドとサッシャ・フェネストラズを擁しチーム/ドライバーランキングで4位、マニュファクチャラーランキングで3位となった日産。今季はローランドに加えて、シーズン9を日産から戦っていたノーマン・ナトーを再び起用し、このふたりが桜カラーのマシンを走らせることとなった。
なおシーズン11に向けて、フランス・パリの南に設置された日産フォーミュラEチームの新ファクトリーも稼働を開始。2600平方メートルの敷地内には、ワークショップエリアやシミュレータ、エンジニアリング、管理オフィスだけでなく、展示エリアや会議室、多目的エリアも設けられた。
「新シーズンに向けてワクワクしつつ、GEN3 Evoマシンに精通するために一生懸命取り組んでいる」
日産フォーミュラEのゼネラルマネージャー兼日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターを務めるトマソ・ヴォルペはそう語った。
「これまで全てが順調に進んでおり、バレンシアのテストがとても楽しみだ。新しいファクトリーの稼働も順調だ。この施設を最大限に活用することで、チームの潜在力を最大限に引き出すことができる」
「これから一緒に戦うナトーは日産チームのクルーをよく知っていたので、すぐにチームに馴染んだ。ローランドとナトーという強力なドライバーが揃い、勝利と表彰台獲得に向けて準備が整ったと自信を持って言える」
ローランドはシーズン11に向けて次のように意気込んだ。
「忙しかったシーズン10が終わった後、十分にリフレッシュできた」
「体力的にも精神的にも良い状態でシーズン11に挑めるよう備えている。新しい施設はとても素晴らしくて、本当に感銘を受けている。立地も理想的で、より高い目標を目指すことができるはずだ。GEN3 Evoでは、AWD技術を含むいくつかのチャレンジがあるけど、初戦から万全の体制で臨むつもりだ」
そしてナトーは新しい施設やマシンカラーを気に入っていると語った。
「チームに戻ってこれたことをとても嬉しく思っている」とナトーは言う。
「既に、車やシミュレータ、スタッフにも馴染むことができている。新しい施設は最高水準の設備だ。素晴らしい環境の中でレースの準備やレース後のブリーフィングを行なうことができる」
「新しいカラーリングは本当にクールで、日産チームの日本のアイデンティティを示し、ファンたちも気に入っているし、サーキット上でも認識しやすいはずだ。バレンシアでのテスト、ブラジルでのシーズン開幕、そしてGEN3 Evo時代のスタートが待ちきれない」
フォーミュラEシーズン11は、11月4日から7日にバレンシアで開催されるプレシーズンテストを経て、12月7日サンパウロE-Prixで開幕戦を迎える。