フェラーリが最新のフラッグシップスーパーカー”F80”を発表。フェラーリのロードカー史上最高出力となる約1200馬力を発揮……WECやF1で培われた様々なテクノロジーが詰め込まれた1台が誕生した。合計799台の限定製造となる。
10月17日、フェラーリのロードカーの歴史に、新たな1ページが書き加えられた。フェラーリのF80が発表されたのだ。
フェラーリはこれまで、GTOやF40、ラ・フェラーリといった、今でも語り継がれる名車を数々送り出してきた。今回発表されたF80は、その伝説的な車両の系譜を受け継ぐ1台である。
特筆すべきはそのパワートレインだ。単体でも900馬力を発揮する3リッターのV6エンジンを搭載……このエンジンは、WECに参戦する499Pとの繋がりが深いという。
またF1マシンで使われているMGU-K(運動エネルギー回生システム)の量産版と、専用設計のeターボを取り入れたMGU-H(熱エネルギー回生システム)を搭載。フロントアクスルに2基、リヤに1基のモーターを搭載し、合計300馬力……エンジンと合わせて合計1200馬力を発揮する。これらで使われる電気エネルギーを蓄える高電圧バッテリーは、F1から引き継いだリチウム電池を使い、カーボンファイバーを多用したモノコック型ケーシングに収められている。
この超ハイパワーにより、最高速度は350km/h。100km/hまでの加速は2.15秒、200km/hまでの加速は5.75秒というパフォーマンスを誇る。
また空力も最高レベル。F1とWECで使われている空力コンセプトを基に、ダウンフォースと最高速の完璧なバランスが追求されたという。
ノーズ中央部は、広大な面積を持つフロントウイングのメインプレーンとして機能。Sダクト内部には2枚のフラップが搭載され、メインプレーンと相互に作用し、大きな効果を発揮する。またリヤでも、”リヤウイング・ディフューザー・システム”により強大なダウンフォースを生み出す。
この結果、250km/hでの走行時には合計1050kgのダウンフォースを発生するようだ。
ただそのままでは非常に敏感な挙動になってしまう。そのためF80には、アクティブサスペンションを搭載。四輪がそれぞれ独立し、4個の48Vモーターで作動する。
このアクティブサスペンションにより、サーキット走行時には車高変動を最小限に抑えつつ、一般走行時には路面のバンプ等を効果的に吸収するという。
前述のように超ハイパフォーマンスでありながら、運転しやすさを目指したと説明されている。またコクピットの快適性も追求されている。
なおこのフェラーリF80は2025年の後半に発売開始。価格は1台360万ユーロ(約5億8000万円)となる予定だ。