レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、マクラーレンのオスカー・ピアストリが僚友ランド・ノリスのサポート役を頼まれるには「速すぎる」として、自身がピアストリなら決して承諾しなかっただろうと語った。
2024年のF1シーズンが進むにつれ、タイトルを争うのはレッドブルとマクラーレンに絞られた。
シーズン後半に入り、マクラーレンはコンストラクターズランキングでレッドブルを抜いて首位に浮上。ドライバーズランキングでも首位フェルスタッペンに対して、ノリスが52ポイント差の2番手で残り6戦を迎える。
マクラーレンはふたりのドライバーを対等に扱うという一般的なアプローチを貫いてきたが、ノリスに初の世界タイトル獲得の可能性が浮上したことから、チームは先月、コース上の状況次第ではノリスを優先させることを決定した。
motorsport.comのインタビューに応じたフェルスタッペンは、マクラーレンのチームオーダーについて、ピアストリが脇役に回るには「良すぎる」ドライバーだとして、決定を受け入れるべきではなかったと語った。
「僕としては、彼は間違いなくそう(No.2ドライバー)ではないし、僕が彼だったら、絶対に引き受けないだろうね」
「僕が言うのは簡単だ。僕はF1に10年いるけど、オスカーは2年目だ。地に足をつけるのはいつだって難しい」
「しかし彼は素晴らしいドライバーで、要求されたからといって勝利や順位を明け渡し、2番手を演じるのは相応しくない」
イタリアGPではピアストリが2位、ノリスが3位となったが、アプローチが変更されたことで、今後2台が近い位置を走っているシチュエーションでは、ノリスがピアストリの前でフィニッシュすることになるかもしれない。
しかしマクラーレン側は、ノリスを勝たせるためにピアストリに対して勝利を譲るよう要求することはないと明言。ノリスも、誰かに差し出されたタイトルは望んでいないと語っていた。
「仮にあるドライバーが僕より上手くいっていて、パフォーマンスを発揮しているなら、僕がもっと良い仕事をする必要がある。誰かからそれを奪いたいとは思わない」とノリスは言う。
「与えられたタイトルもいらない。確かにチャンピオンになることは素晴らしいし、短期的には素晴らしいと感じるかもしれないけど、長い目で見たら誇りには思えないと思う」
「マックスやライバルを倒し、自分がサーキットで一番だということを証明することでチャンピオンになりたい」
一方フェルスタッペンは、マクラーレンがここ1年半で急激な成長を遂げ、ノリスとピアストリのコンビが手強いことを証明したと賞賛した。
レッドブルのライバルの中で、マクラーレンのふたりが最高のドライバーラインアップだと思うか? と訊かれたフェルスタッペンはこう答えた。
「そうだね、ふたりはかなり接近しているし、速いからね」
「マクラーレンは既にチームで働いていた人材を、適材適所で配置している。(かつてレッドブルでデザイナーを務めた)ロブ・マーシャルを除けば、チーム全員が新入りというわけではない」
「しかし何人かのスタッフには新しい役割が与えられ、それがいかに早く影響を及ぼすか分かるはずだ」