第72回ベルリン国際映画祭金熊賞獲得!カルラ・シモン監督最新作『太陽と桃の歌』公開決定

世界各地で56の映画祭やアワードを受賞、ノミネートされた『太陽と桃の歌』が12月13日(金)より公開されることが決定。あわせて、本作のキービジュアル、予告映像が解禁となった。

本作は、カタルーニャで桃農園を営む、大家族の最後の夏を描く物語。少女の特別な夏を描いた初の長編監督作『悲しみに、こんにちは』(17)でベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞とジェネレーション部門グランプリを受賞したカルラ・シモンの長編2作目となる。伝統的な家族経営の桃農園が、ソーラーパネルに取って代わられるという世界中で起こっている自然と人間の問題を描き、第72回ベルリン国際映画祭で金熊賞に輝いた。

今回解禁となった予告編は、桃園の最後の夏を追ったエモーショナルな映像となっている。スペインのカタルーニャで、三世代に渡る大家族で桃農園を営むソレ家。例年通り収穫を迎えようとした時、地主が大家族に突き付けたのは、まさかの立ち退き命令だった。桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めるというのだ。変わりゆく世界のしくみと、変わらない家族の絆の物語が展開していく。父親は激怒するが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば「楽に稼げる」という囁きに心を動かされる。賭け事にかけようとする祖父、取りつく島のない父、資金稼ぎに畑の片隅で大麻栽培を始める長男など、てんでバラバラに桃園の危機を何とかしようとするが、大げんかが勃発。一家に大きな亀裂が入ったまま、最後の収穫が始まろうとしていた。

あわせて家族の様子を切りとったキービジュアルも到着。果樹園で桃をつまみ食いするお転婆な末っ子イリスと、逆境にもへこたれず闘志を湛え立ち尽くすと家族たちの姿が写されている。

カタルーニャの広大な大地と豊かな実り、煌めく夏の空と吹き抜ける風の下繰り広げられる、リアルな家族のやり取り。再開発という時代の変化に晒される家族の物語をぜひ劇場で目にしてほしい。

文/鈴木レイヤ