Vol.02 フルサイズセンサー搭載、6K収録対応Canon EOS C80。ソロオペレーションカメラマンが注目するシネマカメラの実力とは[Canon VIDEO SCENES]

SDカードで全モード、全機能の使用が可能

C80は記録メディアにSDカードが採用されている。今回の撮影ではProGrade Digital Cobaltを使用した。

最近は減ったが、他社のカメラだとCFexpressカードなど記録速度の早いカードでないと、カメラのスペックをフルに活かした撮影ができないものがあった。C80はビデオスピードクラスV90のカードを使用すれば、モードや機能を問わず撮影に臨めるのがありがたい。

しかも、RAW動画を2枚のSDカードに同時録画できる。他社製品はそもそもRAWの内部録画ができなかったり、どれか1つのメディアにしか記録できなかったりする中、C80はバックアップ収録までできるのだ。

撮影後はUSB 3.2 Gen 2のSSDへデータをコピーした。6K RAWや4K RAWの動画素材のコピーもスムーズに行え、実用性は十分だ。

当然、CFexpressカードの方がコピーの速度は早いのだろうが、そのために高額で汎用性の低い記録メディアを購入しなければならないことを考えると、SDカードが採用されたC80は非常にユーザービリティが高いと言えるだろう。

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高性能オートフォーカス

4K納品の仕事で最も気を使うことの一つがフォーカスである。

カメラについている3インチ前後の液晶モニターでは、どんなに凝視しても4K、6Kのフォーカスを追い込むことは不可能だ。かといってリグが好きではない私は、カメラの上に外付けモニターを載せるのも、できることなら避けたい。

細かい技術的な話は割愛するが、C80のオートフォーカスはC70よりも正確に人物を捉え、追っていると感じた。さらにその挙動も自然で、被写体の動きにすっと、優しく入ってくる印象で、非常に心地がよい。

C80のオートフォーカス