F1は今季限りで、レース中にファステストラップを記録したドライバーに与えられるボーナスポイントを廃止することを決定した。
FIAの世界モータースポーツ評議会(WMSC)が10月18日(木)に開催され、FIAが公認する各選手権に関する幅広いトピックが話し合われた。この中で、来季からF1のファステストラップポイントが廃止されることが決まった。
ファステストラップポイントはF2やF3にも存在するシステムであり、F1には2019年に導入された。レースでファステストラップを記録し、かつ10位以内でフィニッシュしたドライバーに1ポイントが与えられる。
このシステムはレースにスパイスを加える目的で導入されたが、後方のマシンと大きなギャップを持つドライバーがレース終盤にピットインしてその後アタックし、1ポイントを獲得するという例も多かった。
またチームにとっては、直接のライバルにファステストラップポイントを与えないようにするための戦略オプションにもなったが、先月のシンガポールGPでは入賞圏外を走っていたダニエル・リカルド(RB)がマクラーレンのランド・ノリスからファステストラップを奪ったことが物議を醸した。リカルドがノリスとタイトル争いを繰り広げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をサポートした形となり、レッドブルとRBの談合ではないかと疑われたのだ。
しかし来季からはファステストラップポイントが無くなり、ドライバーが1戦で獲得できる最大ポイントがスプリント週末は33ポイント、通常フォーマットの週末は25ポイントとなる。
WMSCはまた、若手ドライバーのフリー走行参加回数を倍増させる計画も承認した。これにより2025年からチームは、年間通して各マシン2回(つまり各チーム年間4回)、金曜日のフリー走行1回目をルーキーに託さなければならなくなる。
この動きは、今季からの実施が目指されていたアブダビで開催されるポストシーズンテストに参加したルーキーによるスプリントレースを実施するという計画が中止されたことを受けてのもの。若手ドライバーにF1でより多くの走行機会を与えるチャンスとして考案されたこの案は結局、準備・調整時間不足がネックとなったが、2025年に向けてこのアイデアが再検討されることになっている。
さらに、2026年のF1技術規則の変更と改良に合意がなされた。FIAによる概要によると「接近戦とエキサイティングなレースを促進するためにウェイク(後方乱気流)特性の管理を維持しつつ、マシンからより高いパフォーマンスを引き出す」という。
FIA曰く、2026年の競技規則と財務規則も簡素化され、今後数ヵ月の間にさらなる調整が行われる予定だという。