SAMYANG「Remaster Slim」レビュー。往年の銘レンズをAF化したパンケーキレンズが登場[OnGoing Re:View]

21mm F3.5は歪みがなく扱いやすい

 
  


21mm F3.5 開放
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各レンズの特長を探ろう。まず、21mm F3.5だが、超広角レンズでありながら歪みがほとんど感じられず、非常に扱いやすい。アクションカムと同等の画角となるわけだが、さすがフルサイズレンズだけあって、アクションカムやスマホカメラでは表現できないボケ感を作ることができる。開放からシャープで、非常に発色がいい。SAMYANGのレンズ全般に言えることだが、コーディングの性能が高く、特にアジアの多湿な空気の中でいい感じの見栄えがする発色だ。

絞りはF3.5と控えめだが、その分だけ設計に無理がないので、周辺まで解像力が高く維持されている。もちろん、フレアも出るが控えめでコントロールしやすい。

このレンズで自撮りするのも、非常に楽しかった。自然に背景がボケて、それでいて自撮りに十分な画角を持っている。最短撮影距離も15cm(MF時)と料理のアップでも難なくこなす。今回の3つのレンズのうちで撮影倍率が最も大きい(0.23倍)。

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28mm F3.5は万能レンズ

 
  


28mm F3.5 開放。高級レンズと呼ぶに相応しい、良好なピントと背景ボケだ。溶けすぎず、年輪ボケもない
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今回発売になるレンズはすべて広角ということで使い分けに悩んだのも事実なのだが、実際に使うと28mm F3.5と後述する32mm F2.8は全く違う用途のレンズだとわかる。

この28mm F3.5は、フレアや逆光時のコントラスト低下が比較的抑えられており、風景から街中スナップ、人物撮影などで非常に使いやすかった。旅などで景色を忠実に記録したいときなど、このレンズのシャープさが威力を発揮するだろう。

つまり、常用レンズとして28mm F3.5を着けっぱなしにしていれば、あらゆる場面で満足ゆく写真・動画が撮れるだろう。