32mm F2.8はジャジャ馬でアーティスティック
今回のレンズのうちで、この32mmF2.8は最も面白い。レンズに光源からの光がダイレクトに入ると盛大にフレアが出る。虹色の輝く光輪を構図や絞りでコントロールして、アート作品を作ることができる。もちろん、絞ればフレアは低下してシャープでクリアになってゆく。32mmという焦点距離も面白く、一歩寄ればポートレートにも使える。ボケ味も非常に良好で、嫌なタマネギ状の年輪ボケもないし、フリンジも非常に少なく気にならない。
今回の光学ユニットの中ではもっとも軽く8.4gしかない。つまり、レンズ構成が最もシンプル(6群6枚)、つまり、もっともオールドレンズの特長を有しているということだ。とにかく、まずはこのレンズのじゃじゃ馬ぶりを楽しんでいただきたいと思う。
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交換式光学モジュール&AFモジュールがもたらす「超小型」「超軽量」「リーズナブルな価格」
AFモジュールの特長も解説したい。重量はわずか58.1gで厚みは19mm(レンズは飛び出さない)。AF駆動はパワー重視のステッピングモーターで、前述したが盛大に駆動音が出る。AF速度や応答性は十分にあり、スポーツなどの本当にシビアなAF速度に対応しているとは言わないが、一般的な撮影では十分以上の性能がある。AF時の最短撮影距離よりもMF時はさらに寄ることができる。
鏡筒横にはAF/MFの切り替えボタンのみが配されている。シンプルな操作でフォーカスモードを切り替えられる。フィルターは49mm径がAFモジュールの光学ユニットを保持する内側のマウント(マグネット&ロック式)に配されていて、ユニットごと前後する。つまり、どのレンズを使ってもフィルターは同じものを使えるわけだ。
AFモジュールと光学モジュールは電気接点で制御され、絞りは自動的に動作する。オートで使ってもいいし、マニュアルで絞り値を自由にコントロールすることが可能だ。
今回発売されるのはソニーEマウントだ。他社マウントに関しても計画はあるとのことだがライセンス問題などがあるとのこと。同社からは富士Xマウントレンズも発売されていることから、他社マウントの登場も期待したい。ただ、スチル用途に限られるかもしれないが、サードパーティー製のマウントアダプターを介してニコンなどでも使えるようだ。