スーパーフォーミュラ第7戦富士を4番手でフィニッシュしながらも、最終的には車検不合格で失格となった佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)。事の顛末を本人に聞いた。
佐藤はダブルヘッダーとなった富士戦で、第6戦で7位。翌日の第7戦も4番手でチェッカーを受けたが、セーフティカー中の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)との接触でタイムペナルティを受け、ポイント圏外に転落。さらにはレース後再車検で失格と、散々な1日となってしまった。
公式通知では、再車検での佐藤のマシンは最低重量の677kgから3kg足りない674.0kgと計測されたとされている。これは大きな不足と言えるが、佐藤は次のように説明した。
「金曜日の車検段階の重量から、予選、決勝に向けて3.5kg追加したのですが、追加したはずなのに、再車検では3.5kg積む前の重量と表示が出たそうです。なぜそうなってしまったのかは分かっていません」
上記のコメントを咀嚼すると、佐藤のマシンは予選・決勝を前にバラストを追加することで674.0kgから677.5kgに増量したものの、再車検時には674.0kgに戻ってしまっていたということになる。また佐藤曰く、バラストを積み忘れたなどということはなかったという。
「他のチームはちゃんと通っているので、自分たちに原因があったのだと思います。そこをしっかり探して、次戦鈴鹿ではそういったことが起きないように対処していきたいと思います」と語った佐藤。現状も原因調査中であるとしたが、重量が減った要因として考えられるものは、いくつかありそうだ。
まずひとつは、タイヤかす。フィニッシュ後のマシンは、タイヤ摩耗による重量不足への対策として、コース脇のタイヤかすを拾いながら戻ってくることがある。佐藤は「インラップでピックアップ(タイヤかす)を取ってこなかった」と証言しているが、もし十分なタイヤかすを付着させることができていれば、4輪で1kg強は増量できたのではないかと考えられる。
また、規定の最低重量はドライバーの体重込みの値となっているため、レースを終えて多量に発汗したドライバーの体重減少もこれらに関わってくる。激しい争いの中で各チームが規則ギリギリを攻める中で、チームが持っていたマージンを超える重量減があった……という可能性もある。