F1第19戦アメリカGPのスプリント予選ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが最速。F1スプリントのポールポジションを獲得した。RBの角田裕毅は9番手だった。
約1ヵ月近いブレイクを経て、F1は舞台をアメリカ大陸へ移した。サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されるアメリカGPはスプリントフォーマットでの開催となり、初日はフリー走行1回目を経て、2日目のF1スプリントへ向けたスプリント予選が実施された。
■ピアストリがまさかの敗退|SQ1
FP1の後には軽い雨が降ったものの、現地時刻は16時30分を迎え、気温28度、路面温度35度というドライコンディションの中セッションがスタート。まずトップ15台を決める12分間のSQ1では、新品ミディアムタイヤの使用が義務付けられる。
SQ1序盤では、隊列の後方でタイム計測を行なったメルセデスのルイス・ハミルトンが1分33秒840でトップへ。フェラーリのシャルル・ルクレールとマクラーレンのランド・ノリスがそれに続いた。
早々にタイムを計測していたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは10番手と角田のひとつ下。チームメイトのセルジオ・ペレスは、トラックリミット違反でタイム抹消となり、全車が1回目のアタックを終えた時点でノータイム扱いとなっていた。
路面の再舗装を行なったこともあり、フェルスタッペンやペレスをはじめ各車は複数回のアタックでもタイムを改善していった。SQ1最終アタックではルクレールが1分33秒647まで改善し、首位に浮上。トップでここを通過した。
2番手はハミルトン、3番手はフェルスタッペン。今回からダニエル・リカルドの後任を務めることになったRBのリアム・ローソンは、チームメイトの角田をひとつ上回る12番手でSQ2に駒を進めた。
コンストラクターズランキング首位に立つマクラーレンのオスカー・ピアストリは、最終アタックのターン19で痛恨のトラックリミット違反。タイム抹消により16番手でSQ1敗退となった。
ピアストリ以下、エステバン・オコン(アルピーヌ)や、アタック前にスピンを喫したアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、キック・ザウバーの2台も姿を消した。なおFP1に続き、ザウバーの周冠宇はSQ1でも出力の問題に悩まされていたようだ。
■角田が突破の一方で……|SQ2
トップ10入りを決める10分間のSQ2。こちらもSQ1と同様に新品ミディアムタイヤ装着が義務だ。
SQ2最初のタイム計測では、メルセデスのジョージ・ラッセルがSQ1最速タイムを越える1分33秒370をマーク。そしてすぐさまハミルトン、そしてフェラーリ勢がそれを上回っていった。8台がタイムを記録した時点ではフェラーリのカルロス・サインツJr.がマークした1分33秒274が暫定最速だった。
SQ2では計測タイミングをずらすチームも見受けられ、レッドブル勢は残り5分というところでコースイン。アストンマーティン勢やRB勢、アルピーヌのピエール・ガスリーは1発アタックに賭けた。
フェルスタッペンはセクター2での遅れが響き、1分33秒290でサインツJr.のトップタイムに届かず2番手止まり。ペレスは1分34秒244で当落線上ギリギリに……最終的に角田がそれを0.192秒上回って10番手となったことで、ペレスのSQ2敗退が決まった。
SQ3に2台で進出したのはフェラーリ、メルセデス、ハースの3チーム。フェルスタッペン、ノリス、ウイリアムズのフランコ・コラピント、角田が踏みとどまった。
SQ2ではガスリーが12番手となった他、アストンマーティン勢とローソンがトラックリミット違反によるタイム抹消で敗退となった。
■レッドブルが”戻ってきた”?|SQ3
うって変わって、8分間のSQ3はソフトタイヤの使用が義務付けられる。こちらは新品を使用しなければならないという条件はない。
SQ3序盤からコースに出ていったのはメルセデスの2台とコラピント。残る7台はガレージでタイミングを見計らった。
まずラッセルが1分32秒845をマークしてトップに立ち、ハミルトンが0.533秒差で2番手となった。コラピントはマシンをねじ伏せての力走も、ターン12でスピンを喫したためタイムを記録できなかった。
メルセデス勢がラップを終えてピットへ戻る頃には、残るマシンもコースイン。コラピントも一度ピットを経てユーズドのソフトで再び走り始めた。
セオリー通りでは、路面の改善によってより遅いタイミングでアタックを実施したドライバーの方がタイムを伸ばすことができる傾向にある。しかし後半組の隊列でタイムを計測したサインツJr.やノリス、ルクレールもラッセルの暫定トップタイムには届かなかった。
これでラッセルのポールポジションが確定したかとも思われたが、最終的にフェルスタッペンが1分32秒833までタイムを改善し、F1スプリントのポールポジションを獲得した。
ここ数戦はマクラーレンを筆頭にライバルチームに対して劣勢を強いられてきた絶対王者レッドブルとフェルスタッペンだが、スプリントとは言え、オーストリアGP以来の先頭スタートをCOTAで飾ることとなった。さて、その速さは本物だろうか?
2番手ラッセル以下、ルクレール、ノリス、サインツJr.というトップ5の並び。予選職人ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が6番手でハミルトンを上回り、もう1台のハース、ケビン・マグヌッセンが8番手、9番手に角田、10番手にコラピントというトップ10になった。