思ったことをズバズバ言うやり取りが人気で、お笑い好きからはいい意味で「心がない」と評されている東野幸治さん。少し冷たくも見える率直さがしばしば笑いを生むことも多いのだが、近年の東野さんの言動には冷徹さよりも、優しさの方があふれ出てしまっているようだ。
●「心がない」と冗談交じりに言われることもある東野さんの温かな一面
2019年の「ワイドナショー」では、闇営業騒動で謹慎処分を受けていた後輩たちについて「今どういう状況かわからないと思うので、吉本の社員も電話とかメールとか、1日に1回とか2回とかでもいいんでしてあげてほしい」と声を震わせながら涙を滲ませたことがあった。この時は彼の熱い一面に驚きの声が多くあがり、「氷の心の東野が涙目!?」とニュースにもなったほど。東野さん自身も「年とったなぁ」と苦笑いしたという。
しかし年のせいなのか、年々東野さんが優しいという話は増えてきており、今年も後輩の元お笑いコンビ・尼神インターの誠子さんから「優しい」と感謝されたエピソードがあった。インスタグラムで6月、東野さんが手料理を食べに来てくれたことを投稿した誠子さん。彼女はこの時には既に吉本興業を退所していたのだが、「幸せすぎて、自然と『吉本入ってよかった』って言ったら『辞めとるやないか!』と言われました」など、表面は淡々としているが愛のあるツッコミをもらったことを報告。そして「ずっとお優しい大好きな大先輩」と、実は東野さんがいつも優しいことを晒している。
「1億人の大質問!? 笑ってコラえて!」のダーツの旅で、2022年に東野さんからさらっと飛び出た一言も印象的だ。それは旅の中で出会った、赤ちゃんを連れた男性に伝えた「スマホの写真がほのか(赤ちゃんの名前)だらけになりますよ。ほのかだらけになるから、10枚に1枚は、奥さん撮ってあげてください」というアドバイス。何気なく発した素敵すぎる名言に、「めっちゃいいこと言う」とSNS上も大いに盛り上がった。
一見引いて見ているようで、絶妙に愛のあるツッコミがすっかり定評になっている東野さん。ふいに滲み出る優しさを垣間見るのがこれからも楽しみだ。(フリーライター・河野秀樹)
■Profile
河野秀樹
芸能系の編集プロダクションから20代の頃に独立。現在はフリーライターとして、芸能中心にエンタメ記事を手掛けている。スクープからほっこりネタまで、幅広く執筆中。