フィリップアイランドでMotoGP第17戦オーストラリアGPのスプリントレースが行なわれた。優勝はプラマックのホルヘ・マルティンだった。
オーストラリアGPは初日にFP1が悪天候によってキャンセルされる形で始まったが、その後は大きなトラブル無くセッションが進んだ。
2日目午前の予選ではホルヘ・マルティンがコースレコードに近いタイムを記録して、ポールポジションを獲得。2番手にマルク・マルケス(グレシーニ)、3番手にマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が並んだ。
タイトル争いでは10ポイント差までリードを削られたマルティンだが、今回はフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)も予選5番手に留まっており、ライバルに差をつけるチャンスとなった。
全13周のスプリントレースはマルティンがスタートを決めてトップを確保。マルコ・ベッツェッキ(VR46)が2番手に続き、さらにバニャイヤも上手く前に出て3番手を確保した。
マルケスがターン1で大きく膨らんでしまうミスを犯したものの、他に大きなトラブルは無くスプリントは穏やかな始まり方。トップのマルティンが逃げていく展開で、1周目で後続に0.5秒以上の差をつけた。
マルティン、ベッツェッキ、バニャイヤのトップ3にアクションが少ない中、後方からは一時的にポジションを8番手まで落としていたマルケスがハイペースで追い上げ。4周目には4番手にまで浮上し、表彰台圏内を伺うようになった。
また4周目にバニャイヤはベッツェッキを抜いて2番手に浮上。トップのマルティンとの差はこの時点で1秒となっていた。
バニャイヤはマルティンのペースについていくことができず、その差はどんどんと拡大。レースが折り返しを過ぎた8周目には、3秒近い大差が広がった。
さらに後ろからはベッツェッキを追い抜いたマルケスが迫り、7周目にはバニャイヤの後ろで追い抜きを狙うように。そのまま8周目にこらえきれず、マルケスにオーバーテイクを許してしまった。
またバニャイヤはマルケスだけでなく、チームメイトのエネア・バスティアニーニにも続けて抜かれて、4番手まで後退。タイトル争いを考えると、これ以上の後退は避けたい状況だった。
残り2周、ベッツェッキとビニャーレスがターン1で絡むクラッシュが発生。直線で前に出たビニャーレスに対し、ターン1へのアプローチでベッツェッキが止まりきれずに追突する形で、ふたりはクラッシュ……両者ともリタイアとなった。大クラッシュだったが、幸いライダーはどちらも意識がある状態だった。なおこの件はレース後審議の対象となった。
レースはマルティンが独走したままの状態でラストラップに突入。2番手のマルケスがベストタイムを記録しながら迫ったものの、序盤に稼がれた3秒以上の差はいかんともしがたく、マルティンが1.5秒差でトップチェッカーでスプリント勝利を果たした。
2位はマルケス、3位はバスティアニーニだった。バニャイヤはなんとか4位を守りきったが、マルティンに対するポイント差は16点に広がってしまった。
日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は、転倒者の多かったスプリントを生き残り、最終的に14位でフィニッシュした。