[J2第35節]仙台 3-0 横浜FC/10月19日/ユアテックスタジアム仙台
J2首位の横浜FCを迎えての大一番。仙台はボランチのレギュラーとして活躍してきたMF松井蓮之が出場停止だった。
「大ピンチでした」と語る森山佳郎監督がボランチで起用したのは、阪南大卒のプロ2年目で仙台ユース出身のMF工藤蒼生だった。
持ち味のボール奪取、球際の強さを買われ開幕戦で先発した工藤は、その後も出場機会を得ていたが、5月に負傷すると、その間に守備強度とゲームメイク能力が高い松井がレギュラーの座を勝ち取った。
7月6日の23節・岡山戦で先発復帰するも、その後はずっと途中出場が続き、横浜FC戦が12試合ぶりのスタメンだった。
工藤は「自分は途中出場が多かったのですが、7月以来のスタメンだったので、自分としては絶対にスタメンを勝ち取るという気持ちで横浜FC戦に挑みました」と、この機会で良いプレーを見せ、レギュラーの座を勝ち取ろうと並々ならぬ気持ちで臨んだ。
チームは6分にMF相良竜之介のゴールで先制し、33分にはセットプレーの流れからFWエロンが追加点を挙げる理想的な展開に。工藤は守備力の高さを発揮し、「相手のシュートをブロックすることを一番心がけてプレーしました」と、ゴール前で身体を投げ出してピンチを防ぐ場面もあった。
【動画】ダメ押しの3点目!工藤蒼生が待望のプロ初ゴール!
そして試合終盤には攻撃でも結果を出す。86分、MFオナイウ情滋が前方へ走ったDF真瀬拓海にパスを出し、真瀬がグラウンダーのクロスを供給。工藤は「マイナス(のスペース)がすごく空くと考えたのでそこに入って、あとは真瀬君が良いクロスを上げてくれたので、流し込むだけでした」と中盤から駆け上がり、右足でプロ初ゴールを決めた。
「点を決めたいという気持ちがすごくあったので、前に前にプレーを意識してやっていたのが実って良かったです。ゴールを決めたのは中学生以来だったので嬉しいですね」と、背番号17は仙台ジュニアユースの時以来の公式戦ゴールに喜びを隠さなかった。
横浜FCに3-0で完勝した仙台は、J1昇格プレーオフ出場へ前進した。森山監督は攻守で活躍した工藤について「なんなら、これ(工藤の先発)で次も行こうかというくらいです。松井も帰って来たら“俺が出られるよ”という感じじゃなくなったので、この時期にさしかかって、また競争が良い雰囲気で続いているのはポジティブなこと」と賞賛した。
ジュニアから仙台のアカデミーでプレーしてきた工藤は「アカデミーの時は点が決まった時にスタンドで盛り上がっていましたが、今、自分がピッチ内で決めて喜べるというのは成長したなという感じです」と、憧れの舞台で自らゴールを決める活躍ができ、感慨に浸った。
ボランチのレギュラー争いに名乗りを上げることに成功し、「やはりスタメンで出るのが一番なので、スタメンで出て、勝利に導けるように頑張りたい」と、リーグ戦残り3試合、そしてその先のJ1昇格プレーオフでも、先発に名を連ね攻守で活躍しようと闘志を燃やしていた。
取材・文●小林健志(フリーライター)
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