国内展示会初となる没入型3Dシアターをブース内に導入
最新の物流機器やシステム、情報が集まる展示会「国際物流総合展2024」が9月10日より東京ビッグサイトにて開会した。東1~8ホールを使って過去最多となる580社の出展や団体/3,241ブースを集めて開催した。展示会場は2年に1度開催する「物流の祭典」といった感じで、ロボットやAIに関する興味深い展示が多かった。
そんな会場内でひと際目を引いたのは最新鋭の3D・LED技術を駆使した没入型シアターを導入した「ダイフク」ブースだ。ブースからかなり離れた距離からでも、巨大なLEDディスプレイシステムが目に飛び込んできた。
ブースは50人ほどが着席できる「没入型3Dシアター」と、「実機の展示コーナー」の2つのエリアに分かれていて、どちらのコーナーも来場者で賑わっていた。
上映コーナーには、幅21.6メートル、高さ3.6メートルのLEDを設置。着席の前に配布される専用3Dグラスを着用してプレゼンテーションを視聴できるようになっていた。
ダイフクがブースに導入したのは、ヒビノが2024年春からレンタル運用を開始したLEDディスプレイシステム「Immersive LED System」だ。YOASOBIの全国ツアー「YOASOBI ZEPP TOUR 2024″POP OUT”」でも導入されたシステムで、パッシブ型三次元LED技術を取り入れた立体映像表示方式を特徴としている。
同LEDシステムはライブなどのエンターテイメントで注目を浴びているLEDディスプレイだが、それとはまったく異なる展示会のプレゼンテーションに導入というのは実に興味深い。
プレゼンテーション映像は、ダイフクの2030年に向けた取り組みを紹介した約8分のコンテンツ。1時間に3回の上映が行われて、毎回ほぼ満席になるほど多くの来場者を集めていた。
映像を見て関心したのは、巨大なLEDスクリーンによる立体感の表現だ。ヒビノの三次元LED技術は何度か視聴体験したことがあるが、映像から製品が飛び出す立体感に改めて驚く。今回は大きな空間の物流システムの表現も多く、飛び出しよりもどちらかというと奥に広がる広大なスペースを表現していたのも特徴的だった。
また、登壇する司会者と飛び出してくる新製品の位置やテンポもリンクしている。立体的なCG映像とリアルの融合も見事だった。
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毎年アトラクション並の凝ったブースを実現
ヒビノのLEDディスプレイの導入までの経緯や来場者の反響などをダイフク広報部の達谷窟学氏に聞いた。
御社の国際物流総合展の展示は毎回、アトラクションのような技術を取り入れた先進的なブース構築や演出が話題です。「今年は何をやるのか?」楽しみにしている人も多いと思います。御社ブースのこだわりを教えてください。
達谷窟氏:
過去の国際物流総合展では、ブース内に4Dシアターや床LEDスクリーンの設置など、いろいろな取り組みを行ってきました。単純に製品展示をするのではなく、お客様に驚きをもってダイフクを感じていただきたいと考えており、ブランディングの観点からも常に新しいダイフクらしさが表現できればと思っています。
どちらかというと製品を伝えるよりも、我々のダイフクのブランディングを紹介したい、常に新しいダイフクらしさを表現できればと考えています。
今回の展示会でイマーシブLEDディスプレイを導入されましたが、決定の経緯などを聞かせてください。
達谷窟氏:
当社の製品は一つひとつが大きくてシステムで展開しているため、会場に持ち込んで展示することは容易ではありません。
そこでイマーシブLEDのディスプレイの仕組みを使うことによって、より現実的かつ具体的な製品を紹介できることから、3DのイマーシブLEDディスプレイを採用させていただきました。
今年の1月にYOASOBIのコンサートで初めて日本に導入されたという3Dシステムということでご紹介をいただきまして、国内展示会では初の導入という点も採用のきっかけとなりました。
没入型シアターの反響はいかがでしょうか?
達谷窟氏:
3Dの仕組みには様々な種類が昔から存在していますが、今回の3D LEDは明るくて高精細、かつ3Dもまた違った進化している印象でした。過去の3D映像とは違う、没入感の高い3Dだと思います。そこは皆さん感じにとってもらえているように思います。