『MONDAY MAGIC Autumn ep1』新宿FACE(2024年10月21日)
○拳王&永田裕志vs征矢学&マサ北宮×
WRESTLE UNIVERSE配信向け興行『MONDAY MAGIC』の秋期シリーズがスタート。そのメインでは拳王と新日本・永田裕志の初タッグが実現し、まさかの“白目競演”で快勝した。
事前のカード発表が原則なく、多くのサプライズが起こってきた『MONDAY MAGIC』。その秋期シリーズ幕開けとなった新宿大会メインでかけられた“魔法”が産み落としたのは、拳王と永田のタッグ結成だった。
拳王と永田は今年7月の日本武道館大会で一騎打ち。試合前は激しい舌戦を繰り広げたものの、熱闘を繰り広げた末に握手し、互いのYoutubeチャンネルでコラボするなど一転して親密になっていた。
今度はリング上でのタッグが実現した形。試合前からグータッチを交わすと、征矢&北宮組と対決した。2人は序盤からダブルミドルキックを放つ好連係を披露。試合は拳王が腰を攻められて捕まる展開となるが、永田はあえてカットに入らず、拳王に信頼を示す。その思いに応えて、自力でピンチを脱すると、あとを受けた永田が大暴れに出た。
GHCナショナル王者の征矢をダブルアームスープレックスでぶん投げると、打撃戦になっても一歩も引かず、腕固めに捕獲。白目降臨の前に北宮がカットに入ると、場内はブーイングに包まれる。その北宮の猛攻を受けたものの、エクスプロイダーで投げ飛ばして、いい形で拳王につないだ。
拳王は一気に押し切りにかかるも、北宮の監獄固めに捕まると急ブレーキ。だが、永田が献身的な動きを見せる。ミドルキックでカットに入ると、なおも攻勢を続ける北宮がコーナーに上がるやいなや急行し、雪崩式エクスプロイダーで援護射撃。すかさず拳王はPFS投下だ。最後は永田が白目式腕固めで征矢を分断すると、拳王も白目式の拳王スペシャルで北宮を絞め上げて、熱戦を制した。
まさかの“白目競演”が実現しての快勝。試合後もガッチリと握手を交わした両雄は、敬礼&拳突き出しポーズの競演も果たして、場内もやんやの拍手喝采に包まれた。
「不思議と通じ合うものがあった。顔をみただけで意思疎通できた」と満足げな永田に対して、拳王はコラボ動画で掲げた目標「3大タッグ王座制覇」を持ち出した。
すでにNOAHのGHCタッグ、全日本の世界タッグ王座の戴冠歴はある拳王だけに、残るはIWGPタッグ王座のみ。動画内で永田と組んでのIWGPタッグ挑戦に意欲を示していた拳王は「今日はIWGPタッグへの試運転だと思って闘いましたよ!」と言い切り、「今のIWGPタッグ王者は(元NOAHの)シェイン・ヘイストとマイキー・ニコルス。ちょうどいいじゃないですか。1・1スケジュールあいてるかな、あいつら…」と早くも元日武道館大会での実現をもくろみ始めていた。
白目競演にIWGPタッグ狙い。半年ぶりに始まった“月曜日の魔法”は、やはり初回から意外な産物をもたらした。
【試合後の拳王&永田】
▼拳王「いやあ永田さん、今日はどうもありがとうございました」
▼永田「サンキュー、こちらこそ」
▼拳王「7月の日本武道館大会でシングルマッチやって、いろいろありましたけど今日…」
▼永田「思ったよりコンビネーション良かったね」
▼拳王「そうですよね!」
▼永田「不思議と通じ合うものがあって、それが今日試合した感想です。まだまだ研究すべきとこはあるかもしれませんけど、初めてでこれだけ意思の疎通が顔色見ただけで通じるってのはよかった」
▼拳王「なんたって俺たち、これ見てるやつ分かるか? 永田裕志のゼアチャンネル、YouTubeコラボやったんだけど、そのとき目標ありましたよね? 俺たち二人で…」
▼永田「うん。タッグ戦線」
▼拳王「はい。何を狙うんでしたっけ?」
▼永田「え?」
▼拳王「もしや忘れてるんじゃないですか?」
▼永田「いやいや」
▼拳王「ちゃんとサムネに書いてたじゃないですか。俺ら二人のタッグで何を狙う?」
▼永田「IWGPか?」
▼拳王「俺はずっと思ってますよ」
▼永田「GHCってのも一瞬頭に浮かんだけどIWGPだ」
▼拳王「そうなんですよ。永田裕志のゼアチャンネルで狙うって」
▼永田「言ったね」
▼拳王「言いましたよね? 俺世界タッグ、GHCタッグもって、あともってないのどこでしたっけ?」
▼永田「獲ってないのはIWGP。そうだ。思い出した」
▼拳王「遅い!」
▼永田「だってブランクが…」
▼拳王「今日なんて俺、IWGPの前哨戦だと思って戦いましたよ」
▼永田「なるほど。だから息が合ったんだ。さすが」
▼拳王「チャンピオン今誰ですか?」
▼永田「今チャンピオンは…」
▼拳王「知らないんかーい!」
▼永田「いや、知ってる知ってる。シェイン・ヘイストとマイキー・ニコルス。元NOAHの選手」
▼拳王「ちょうどいいじゃないですか。1・1スケジュール空いてるか? あいつら」
▼永田「1・1? どうだろう。確認してもらえばいい」
▼拳王「他力本願? 待ってください。これはYouTubeみたいになってるんで、普通にプロレスラーとしてやりませんか」
▼永田「勢い強いからさ。いいじゃないですか。そういうのを狙いますよ僕も」
▼拳王「なんたって永田さんは3大リーグ戦獲ったあと、そのあとのことも考えろって言った。これで終わりじゃないっすよね?」
▼永田「もちろん」
▼拳王「俺はほんとに考えてますよ。タッグ選手権、グランドスラム、3大リーグ戦…」
▼永田「タッグも獲ればいい」
▼拳王「そうなんですよ」
▼永田「世界タッグ、GHCタッグ獲ってる。残りは?」
▼拳王「いきましょう! 永田さん、ホント今日はありがとうございました」
▼永田「ありがとう」
※二人は握手
▼拳王「これでIWGPタッグ、一つ一歩進みましたね。あとは永田さん一人でお願いします」
※拳王は控室へ
▼永田「こっちは試合やって結構強烈なダメージ受けて、よくあれだけしゃべれるね。大したもんだ。あれだけの攻撃を受けて。拳王さすがNOAHの柱の一本だね。大きな柱ですよ彼は。まあ、一つ言わせてもらえば、7月に戦い、YouTubeでコラボして。欲を言えば、もうちょっと早く組む形を作ってほしかったなって思います。ちょっと遅かったんじゃないかなと思いますけどね。さっき言ってやろうと思ったけど、今、拳王の勢いに押されちゃった。大したもんだ。でも、やっぱり口に出して物事を言わなければ、実現はなかなかできないというのがあるんで。はっきり言いますよ。拳王さすがです。IWGPタッグ狙いましょう。僕はそのためにね、タッグのベルトっていうのは過去に2度ほど僕も獲ってますけど、IWGPはね。彼にそういう欲があるならば、僕はそれを十分手助けしたいですね。僕は逆に言うと、プロレスリング・ノアってN-1タッグってあるんでしたっけ? それはないですか? なるほど。じゃあ、しょうがない。でも、IWGPタッグを獲りにいきますよ。いきたいですね。拳王の勢いに合わせて喋り出すと止まらなくなるから、これへんでやめておきますよ。でも、やっぱり今日は組めてよかったです。初めて組んで、なぜこんなに波長が合うのか。あれだけワーワー言い合って、戦ったら戦ったで、シングルで戦えば波長が合うしさ。なんでこいつと組んだら組んだで、こんなに波長が合うんだ。不思議とそういうのを感じました。それがなんか一つ発見で、楽しかったです」