カメラで撮影しながら編集ができる?! ライブシンク機能
この新機能は、これまで撮影~ビデオ編集の経験や知識があればあるほど「え?どういうこと?」となりがち。「ビデオ編集は撮影の後に行う」がセオリーの中、その常識を一変させる新機能が「ライブシンク機能」だ。実際にトライしてみよう。
まずは、iPhoneにインストールしたBlackmagic Cameraの設定画面で「Live Sync」をON。
次に、ビデオ編集ソフトウェア「DaVinci Resolve」でBlackmagic Cloudにサインインして、新規クラウドプロジェクトを作成。ここでリモートカメラのアクセスを許可する。
Blackmagic Cameraのアップロード先を(先ほど作成した)新規プロジェクトに設定してカメラ側で撮影を開始するとDaVinci Resolveのメディアプールに撮影中の映像と音声ソースが読み込まれる。
って、まるでライブ配信中のビデオスイッチャーに映像と音声信号がインプットされるような状態。撮影中の動画ファイルを時間軸を遡って再生したり、タイムライン上に並べてビデオ編集作業をカメラで撮影した状態のまま行えてしまう。
Blackmagic Cameraのタイムコード表示を、「時刻/TOD(Time of Day)」に設定することで、iPhoneの内蔵時計をタイムコードに使用することもできる。これにより(多少のタイムラグはあるけど)複数台のカメラをマルチカムソースとして扱ったり、リプレイ再生機能を用いて簡易的なカメラスイッチングで外部出力もできる。
撮影を行う「Blackmagic Camera」と、ビデオ編集を行う「DaVinci Resolve」は、インターネットに接続(というかBlackmagic Cloudに接続)されていれば、お互いが離れた場所でもOK。北海道と沖縄で撮影中の映像と音声を、愛媛や埼玉で受信してビデオ編集を同時に行う、といった運用も可能になる。
(広告の後にも続きます)
ビデオ編集とライブ配信の垣根を超える?! 新たなワークフローの創造
思い返せば四半世紀以上、PCを用いた動画制作のワークフローは「撮影後に編集する」という点で代り映えがなかった。今回ご紹介した「撮影しながら編集できる」ライブシンク機能は(これまでの常識が一変しちゃう)新たなワークフローを創造する。
例えば、音楽ライブ。
会場内にいる一部のお客さんのスマートフォンにBlackmagic Cameraをインストールしてもらい、ライブ中に撮影した動画ファイルを全国各地の会場外の人たちがBlackmagic Cloud経由で受信して(ほぼリアルタイムに)ビデオ編集して「推しのダイジェストをSNSで公開!」なんてこともできるかもしれない。
もちろん、セキュリティ面の課題をクリアする必要はあるけど、「カメラマン」と「編集マン」を観客に開放しちゃうエンターテインメントは、これまでの音楽ライブとは次元の異なるユーザー体験を提供できるだろう。