10月27日に投開票を迎える第50回衆議院議員総選挙。前回の選挙で自民党は261議席を獲得したが、今回は大苦戦が予想されている。政治部記者が解説する。

「3年前の総選挙とは明らかに情勢が異なります。逆風を招いた大きな要因は旧統一教会問題と裏金問題。旧統一教会との関係があった自民党議員は衆参合わせて170人以上にのぼり、派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で処分された議員は39人。この2つの問題でダブルパンチを受けているのが東京24区の萩生田光一元政調会長。裏金問題で党の公認が得られず、無所属での出馬となったため、比例復活は望めない。同選挙区の対抗馬が、旧統一教会を長年にわたって追及してきた立憲民主党の有田芳生元参院議員ですからね。崖っぷちの選挙戦を強いられています」

 10月17日、JR八王子駅前で行われた萩生田氏の街頭演説会場は、高市早苗前経済安保相が応援に駆けつけこともあって、現場は多くの聴衆で埋め尽くされたが、開始前には、萩生田氏の支持者と見られる男性が、ラジオ局の女性記者に向かって、「裏金じゃねえだろ!」「金は返したって言ってんだろ」「お前らマスコミが勘違いさせてんだろ!」などと罵声を浴びせる一幕があったという。同選挙区を追いかける選挙ウォッチャーの男性が明かす。

「演説が始まる前、文化放送の女性記者が聴衆に『裏金問題についてどう思いますか?』と街頭インタビューを敢行。その動きを察知した男性が女性記者に詰め寄り、『何言ってんだよ!』などと猛批判。その女性記者はすごすごと撤退するしかありませんでした。その後ろ姿に周囲からも『そうだそうだ!』『ちゃんと会見してケジメもつけているもんね』と声が上がっていました。また、駅に直結した横断歩道橋からは、『ウラ金2728万円』と書かれた紙を持った男性が抗議活動を行い、警察官と見られる男性たちに制止される一幕も‥‥。萩生田氏の街頭演説会場は、彼の支持者と“落選運動”を展開する一派が小競り合いを起こすのが定番となっています」

 10月21日、産経新聞は「有田氏がわずかにリード」と萩生田氏の苦戦を伝えた。先の街頭演説で、萩生田氏はこう訴えていた。

「事務所で裏金づくりだとか、あるいは私的流用だとか、あるいは脱税だとか、そのような事実は一切ございません」

 東京24区の有権者はいかなる審判をくだすのか。選挙戦から目が離せそうにない。

(編集部)

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