カラーマネジメントの考え方
ここで「カラーマネジメント」と言われるもの(本来のカラーマネジメントという言葉はもっと広範囲のことを指す)の理屈は簡単だ。いろいろな大きさや形の色域/ダイナミックスを1つの大きな入れ物に入れることで「整える」のだ。
これによって、異なる色域のものでも同じ基準を持つので、それぞれの色域の内容を正しく表示し、調整することができる。
そして、Prのカラーマネジメントで利用される入れ物がACEScctの色空間/ダイナミックスなのだ。
こういった仕組みを使って、様々な色域/ダイナミックスをまとめ様々な色域/ダイナミックスで出力をするのだ。
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使用例
Prでの基本的なカラーマネジメントの流れ
Prでのカラーマネジメントを利用した編集では次の流れが基本となる。
Log形態素材を扱った編集
Log形態になった映像を使った編集では「Log形態からの還元」という課題がある。多くのLog形態になる映像は本来SDR以上の色域/ダイナミックスを持っているので、HDRとして展開することができる。編集作業としてもLUTの管理作業が減る分、作業負担が減る。
HDRとSDRを混在する編集
HDRが関係する編集を行う場合は、解決しなくてはいけない課題がいくつかあるがカラーマネジメント機能を利用すればこれらが解決できる。
[カラーマネジメントがない場合の課題]
- SDR/HDRのクリップ間で極端な輝度差が出る。
- タイトルや静止画の色が変わり、極端な高い輝度になる場合がある。
HDR制作には「203nitルール」というものがある。これはSDRのもの(映像/テロップ/静止画)をHDRに混在する際に、それらをブースト(100nit -> 203nit)し、規格間の差を少なくする意図のものだ。Prはこれに対応している。
また、HDRとSDRは、Rec.2020とRec.709と色域の違いがある。これによりトラブルが発生する場合がある。しかしカラーマネジメントの機能により、それぞれの色域での表現を保持する。