なんとなく嫌な雰囲気はあった。開始6分に眞城美春のゴールで先制したが、なかなかリードを広げられず、局面のバトルでも競り勝てない場面は少なくなかった。
じりじりと敵は反撃してくる。このままの流れだと――。
ドミニカ共和国で開催されているU-17女子ワールドカップのグループステージ第3節で、白井貞義監督が率いるU-17日本女子代表はザンビアと対戦。1-0で迎えた後半がスタートして3分後、決定的なピンチに見舞われる。
右サイドから攻め込まれ、ペナ角付近で太田美月を巧みなステップでかわしたマーシー・チパラスにシュートを許す。放たれたボールは鋭い軌道でゴール左上に一直線。コースも完璧だった。
失点を覚悟したが、GK福田真央が立ちはだかる。シュートの直前は逆にステップを踏んでいたが、体勢を崩すことなく華麗に横っ飛び。右手一本で弾き出してみせた。
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ターニングポイントになるプレーの1つだったと思う。ここで追いつかれていれば、ザンビアはさらに勢いを増し、日本にとっては難しい展開になっていたのではないか。流れは渡さない――そんな気迫が伝わるファインセーブだった。チパラスも顔を覆って悔しがる。
リトルなでしこはその後、63分に佐藤ももサロワンウエキのPKで欲しかった追加点を奪う。さらに69分に眞城が自身2点目を挙げれば、86分に太田がヘッド弾でダメを押す。87分に太田のオウンゴールで1点を返されるも、4-1で勝利した。
スコアだけを見れば“楽勝”かもしれないが、白井監督が「簡単ではない試合でした」と振り返ったように、趨勢が変わる可能性は少なからずあった。きっちりとチャンスをモノにして4得点した決定力は素晴らしかった。それと同等に、福田の好守も価値あるものだったと思う。
ザンビアに勝利し、グループ首位通過を果たした日本。ノックアウトステージの準々決勝ではイングランドと相まみえる。試合は日本時間で28日の8時にキックオフ予定だ。
文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)
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