バックカントリーの魅力と始め方 & 初心者向けツアーのあるBCガイドクラブ|スキー&スノーボード

バックカントリーを滑るとスキー・スノーボードの世界が一気に広がる

人によって管理されていない、手つかずの大自然の中を自由に滑るバックカントリー。スキー・スノーボードを長く続けている人ならば誰もが憧れ、また「いつかは滑ってみたい」と目指すフィールドだ。ひとたびBCの世界に足を踏み入れたらそのすごさに圧倒され、そして夢中になってしまう。その「魅力」とは一体なんだろう?

バックカントリーの魅力5つのポイント

1.自由と冒険心を手に入れることができる

Location : Hakuba

バックカントリーに熱心に通っているスキーヤー・スノーボーダーにその魅力について聞くと、多くの人が「自由さがいい」という。スキー場のように人の手によって管理されていないという意味では、まさしくバックカントリーは自由だ。

また、スキー場では味わえない危険に対する喚起、冒険心が生まれるのもバックカントリー。

その自由さは山行に冒険のエッセンスを与え、まだ見ぬ新しい景色や斜面へと滑り手を駆り立てるのだ。もちろん、自分や一緒に行動する仲間の安全を確保するため、また山の自然環境を保護するために守らなくてはならないルールやマナーなど、一部の制限は存在する。

2.山全体がフィールド

Location : Hakkoda Photo by KinTone

雪上車で整備されたゲレンデとは違い、手つかずの自然を滑るのがバックカントリーの醍醐味。パウダーはもちろん、春のコーンスノーやカチカチに固まったアイスバーン、もそもそ、ザクザクした悪雪などなど、バリエーションはさまざま。バックカントリーエリアでの一番人気は、パウダー滑走と考えられるが、さまざまなコンディションの雪を自然な状態で攻略するのも面白い。

3.斜面のバリエーションは無限

Location : Hokkaido Powder belt Photo by RIKI JAPOW GUIDE

コースで制限されたスキー場のゲレンデと違い、滑走できそうな場所はどこでも滑れる。自然の地形そのままに斜面のバリエーションは無限の豊かさだ。森林限界を超えたオープンバーンもあれば、樹林帯の中のツリーエリア、息を呑むような急斜面など、ありとあらゆる斜面がある。

自然が創り出した地形がもたらす変化に富んだ斜面が無限に広がっているのがバックカントリー。その選択もバックカントリーなら自由だ。

4.滑るだけではない、大自然の懐に身をゆだねる心地よさ

Location : Hokkaido Photo by Trive Mountain Guides Hokkaido

目の前にはどこまでも広がる銀世界と大きな空、美しい自然。人工物も雑音も何もない静けさに包まれた山。雪山の雄大な景色を前に静寂な時間を味わうことができるのも、バックカントリーの大きな魅力だろう。都会の喧騒も日常のあれこれも全部頭の片隅に置いておいて、大自然に身をゆだねることは、なんと心地よいことか。

5.自分で登ることで1本のランがこんなに充実する

Location : Myoko Photo by InField

ヘリコプターやキャットなどの動力を使うことも可能だが、バックカントリーは、自分の滑りたい山のピークや斜面に向かって自分の足で一歩一歩登ることも大きな要素であり、楽しみの一部でもある。登りながら見える景色は、スキー場から見るものとは違って見えるもの。普段は気づかないような樹々や雪の様子にも目がいき、何か発見があったり、雪を踏みながら登る感覚もきっと新鮮だろう。

つらいハイクでも目指すトップにたどり着いた時は、なんともいえない達成感を覚えから不思議だ。頑張って登った分、1本1本を大切に滑ろうと思いがこもり、山で過ごす時間をとても充実させてくれるだろう。

+α 自然環境への関心が高まる

雪山にいると人間が自然界の一部であり、自然と共生していることが実感できる。バックカントリーへ入ることをきっかけに自然環境の問題に関心が湧いたり、自然を大切にする気持ちが育ったりするのもバックカントリーの与えてくれる恩恵ではないか。

Location : Hokkaido Photo by Hokkaido Backcountry Guides

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初心者がバックカントリーを始めるには

魅力がたっぷりのバックカントリー。興味を持っているスキーヤー・スノーボーダーは、何からどう始めたらいいだろう。まずはガイドツアーを利用する前提で、必要な装備を知ること、可能な範囲で整えること、そして最低限の基礎知識をつけることだ。

ガイドツアーを利用する

Location : Photo by JUNRINA

バックカントリー初心者が単独で行動をするのは絶対に避けるべき。いくら滑走スキルが十分にあっても、リスクを回避するために、はじめのうちはガイドクラブの主催するツアーを利用して、プロガイドに引率してもらうのがいい。

ガイドクラブはツアーを開催する山のことは熟知している。専門知識とスキルを持って初めての人や、まだ経験の浅い人をサポートしてくれる。

バックカントリーデビューをする滑り手のために、山での必要知識をレクチャーしてくれる講座や、いきなりバックカントリーに出るのではなく、まずはゲレンデの非圧雪斜面などでファットスキーに慣れたり、必要な滑走スキルを身につけるトレーニングプログラムもあったりする。

バックカントリーを身近にまず体験し、少しずつステップアップしていくのもいい方法だ。

バックカントリーガイドクラブについて詳しく知ろう

https://steep.jp/how-to/10734

必要な装備を知る・整える

変化の激しい自然の状況下で行動するために、安全性や快適性を得るにはゲレンデ滑走よりもたくさんのアイテムを備えてなくてはいけない。バックカントリーへの第一歩は、まず必要な装備を知ることからだ。詳しくはコチラで解説しよう。

●バックカントリーに必要な基本の装備を知る

https://steep.jp/gear/37851

危険と回避の方法・マナーを学ぶ

手つかずの自然の雪山には危険がたくさん潜んでいる。天候の急変によるホワイトアウト、道迷いや遭難、雪崩、樹木や岩場への衝突による怪我、道具のトラブルなど、あらゆる危険がいつどのように襲いかかってくるか予想もつかない。リスクを少しでも軽減するために知っておくべきことがある。そして山を誰もが快適に楽しむために守るべきマナーもある。